あきらめたくない支援者をしっかりサポート

30年以上 描画療法に関わってきた経験から 今、伝えたい

 【回想法】 を使った本物の会話で

選ばれる支援者になる方法をお伝えする

公認心理師の赤堀富子です。

 

【ほめて育てる】

 

お稽古事、塾、家庭で、大人は子どもたちが出来た時を逃さず、

すぐにほめることが大事だとよくいわます。

だが、果たしてそうでしょうか、

 

ほめるのにもテクニックが必要であると考えます。

あえてテクニックというからには、誰でも再現可能であることがまた必要です。

 

 

 

アトリエで作品をほめる時

傍を通りながら、独り言のように

「へー、よく描くようになったねー」とか

「やるなー」

これは誰にともなく言います。

 

その場にいる人たちがみんな、私のこと?と勘違いしてくれます。

なので、このあと、「この色がいいねえ」とか、

「私はここがすきだわー」とかを作品を見ていっても誰もがいい気分でいてくれます。

本当に言いたい相手には

静かに確かな表現でピンポイントで伝えます。

 

 

 

この時大事なのは、伝えたいという本気です。

声の調子を整え、相手に向かって真っすぐに

しかも静かにその人にだけ聞こえるように話します。

 

ほかの作品にはない部分をしっかりと伝えます。

そのうえで、もう少し足りないところも伝えます。

ほめるというより、あなたの仕事を「認めた」という言葉です。

するともっとよくなるならと素直に手直しや描き足しをしてくれます。

 

できたー、もう終わりと宣言してしまうと、なかなかプラスはしてくれません。

出来たという少し前に、ぼそっと伝えるのです。

 

 

私たち日本人(?)は大きなほめ方は苦手です。

というよりうまく伝わらないのではないでしょうか。

 

 

子どもたちからすると

ほめてもだめだよ、とか

お世辞言ってる、

なんてことを言う人もいます。

 

なんか乗せられているのが嫌なんだと感じます。

 

私たち大人も、見え透いたお世辞は嫌ですよね。

 

もちろん心からの大きな賛美は、恥ずかしく思いながらもうれしいものです。

 

双方の気持ちがよければそれに越したことはないですが、

 

この静かに、確かに伝えるほめ方、

試してみて下さい。

 

そのためには、

大事なのは

声のトーンです。

 

いつもの話している高さより、ずーっと落としてみて下さい。

1オクターブ下げるくらいです。

これは子どもを注意するのにも非常に効きます。

 

低い声で、

いつもよりゆっくりした語調で、

 

「へー」

と感心してください。

この関心していることが伝わらなくては意味がありません。

 

これで30秒ほど間を開けます。

 

子どもは、何を言われるのかと、神妙になります。

 

そこで、静かに 「うまくなったねえ」というと、

 

どう答えてよいかわからない子どもは、自然にニヤッとなります。

 

満面の笑みを浮かべてくれます。

 

 

こんな小さなやり取りこそが、信頼関係を育てるのだと思っています。

 

しっかりとした基本的信頼関係があってこその

しずかな、たしかな、ほめことばだと思います。