毎日店の営業が終わると本日の営業日報が共有されるのですが、それを見ていると最近まれにマスクにまつわるトラブルについて書かれていることがあります。マスクを着用されていないお客様に店で用意しているマスクをお渡しして着用をお願いするも

「未だにマスクをしているのは日本だけだ」「マスクの効果に科学的根拠はない」など強く言われて拒否されてしまうことがあるのだそうです。

お気持ちは大変分かりますし私も早くマスクを気にした窮屈な生活が終わることを祈っています。

ですが「店」とは企業(うちの場合株式会社鎌倉紅谷)が提供するサービス空間であり、店や会社にはお客様の「安心・安全」への配慮義務があります。「すべてのお客様が安全に安心してお買い物いただける店づくり」は店側にとって最低限の義務のひとつです。

原理原則の定義として「安全」とは「客観」であり、「安心」とは「主観」ということがあると思います。例えば客観的に見て「この場所は危険がなさそうだな」となれば「安全」と感じ、「この状態は不安がないな」と自分が感じれば人は安心します。

たしかに客観的事実として世界的に見ても、日本国内も感染者数はピークアウトを迎えたのでもう安全かも知れませんし、マスクが安全を保障する根拠もまだまだ乏しいのも客観的事実と言えるかも知れません。それに既に脱マスクを推進している国や地域もかなり増えてきました。「マスクがなくても安全」と言える可能性は客観的に見てかなり高まっていると私も思います。

実際私もオフィスの自分の部屋や、外を歩いていて自分の半径2メートル内に人がいないときなどはマスクを外すようにしています。

ですが一方で「すべてのお客様の安心」という視点に立つと、まだどうしても、狭くて同じ空間の中にマスクを着用されていない方がいらっしゃると不安に感じるお客様もいらっしゃいます。ご年齢、体調様々な背景をお持ちの方がここにもいらっしゃいます。

私たち店側はこうしたお客様の安心にも配慮していかなくてはいけない責任があります。

店のスタッフがマスク着用をお願いするのはその責任を果たそうとしているだけのことであって、そこに「マスク付けているのは日本だけだ」「科学的根拠は」などというお話を持ち出されてしまっても論点の次元がまったく別なので困ってしまいます。(困らせるためにこうしたことをおっしゃる方はいないと信じたいです)

では、マスク着用を拒否されるのと同じように、不安に感じたお客様から「マスクを着けていない人がいて不安だから何とかしろ」と店員がもし強く言われたら私たちは一体どうしたらいいのでしょうか。
「マスクを着けているのは日本ぐらいのものですので」と店側からご説明申し上げればいいのでしょうか。(極端な話かも知れませんが今急に「マスクには科学的根拠がありませんので当店スタッフは全員ノーマスク営業とさせていただきます」などとしたらもはや店として成り立たなくなるでしょう。)

ここから先はまるで【安心と安全のパラドックス】に陥ってしまい、安心派、安全派、店側の三者全員が苦しい思いをしてしまいそうです。

ですのでそうならないために一定のルールと理解が必要なのだと思うのです。当社には前述のとおり「お客様の安心安全を守る義務」があります。どうかそれらのルールについて店頭スタッフだけでなくお客様にもご理解いただけると嬉しいです。

大切なのは、もう安全だと自分が感じる安全を誰かに押し付けることではなく、まだ不安全で不安だと感じている人がいるのだという事実へ理解を示しその中でもどうすれば少しでも共に安心して買い物時間を過ごせるかなのではないかと思います。

なにも私たちは店の外でもマスクを着用し続けろと申し上げているわけではございません。せめて様々なお客様が共に時間を過ごす買い物中の短い間だけでもお互いに安心出来るようご配慮いただけたら幸いです。
(もちろん体質的にマスクが着用出来ない方への理解も必要ですがマスク以外にも方法はあると思います。【以下太字部分、言葉が少し足りてなかったようなので少し加筆です】もちろんお子様や特別なご事情がありマスク着用が困難な方は遠慮なくスタッフにお申し出ください。

もう少しすれば日本も、もっと多くの安全の根拠が数値等で示されるようになり、安心を感じる方がより増えていくだろうと思います。

間もなく訪れるであろうその日に希望を抱きつつ、今日できる最善を務めるためにも、月並みですがこの言葉で締めくくりたいと思います。

「皆さまのご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。」