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紙一重で横領事件は起きるか
★★★★☆
人生にはたくさんの「もし」がある。
もし、あの時~していれば…
もし、あの時~していなければ…
誰しもが過去を憂い、悔い、もしくは安堵と共に
「もし」を思い浮かべたことがあるのではないか。
たくさんの「もし」が重なったとき、
私は梨花のように横領を起こさないと言えるのか?
途中からはかなり暴走しているが、
初めの5万円のエピソードはリアルすぎて少しゾッとする。
誰にでも起こりうる気がしてくる。
子供ができずに焦っていたら?
夫との関係がうまくいっていなかったら?
その時に他の男性に好意を抱かれたら?
少しの工夫で何百万のお金が自由になったなら?
横領とまでいかないまでも不倫くらいなら可能性はあるのではないか?
私と梨花を隔てるものは大きいのか、紙一重か。
梨花は今の自分を自分の一部分でしかないと思って生きている。
おそらく、「もし」の先にある自分も自分だと思っている。
選ばなかったけれど、選ぶこともできた「もし」の先の自分も。
そのせいか、今の自分をどこか達観して、
感じる違和感は見ないふりをし、修復を試みず、
ふわふわとした感覚のまま暴走していく。
自分の選ばなかった「もし」の先は、果たして紙一重の場所なのか。
私達は日々たくさんの選択をする。
着る服、食べるもの、通る道、何でもない一言。
そのひとつひとつで自分を作り上げていく。
選びさえしなければ「もし」の先には永遠にいくことはない。
すべては自分の姿勢次第。
今の自分を受け入れることから逃げずに、
常により良くしようと努力しながら生きていくという姿勢が
紙一重の紙を厚くする唯一の手段だとしたら、
果たして私は梨花のようにならないと自信を持って言えるだろうか…
『善も悪も矛盾も理不尽もすべてひっくるめて私という全体なのだ』

