優勝:ルイス・ハミルトン(マクラーレン)
2位:キミ・ライコネン(フェラーリ)
3位:マーク・ウェーバー(レッドブル)
4位:ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)
5位:ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)
6位:ティモ・グロック(トヨタ)
7位:ジェンソン・バトン(ブラウン)
8位:ヤーノ・トゥルーリ(トヨタ)
9位:中嶋一貴(ウィリアムズ)
10位:ルーベンス・バリチェロ(ブラウン)
11位:ニック・ハイドフェルド(BMW)
12位:ネルソン・ピケ(ルノー)
13位:ロバート・クビサ(BMW)
14位:ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア)
15位:ハイメ・アルグエスアリ(トロ・ロッソ)
16位:セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)
<がんばれ、フェリペ!>
マッサの件については前述のとおりであるが、その後のリリースによると、危険は脱したそうで、ICU(集中治療室)から病室に移されそうだと言うことで、ひとまずは安心、マッサには年内の復帰を望むばかりです。
予選を見たときは背筋の凍る思いでしたが、CTスキャンの経過も良好と言うことでひとまず安心です。
<「代走、オレ」はないのか?>
もうひとつマッサの問題で注目されるのが「誰が代役になるのか?」と言うことだが、その中で浮上するのがフェラーリのアドバイザーをしている「皇帝」ミハエル・シューマッハの復帰を憶測するジャーナリストも多い、その件に関して、元彼のマネージャーであるウィリー・ウェーバー氏は「単なる憶測に過ぎない」と一蹴。
ウェーバー氏は、自身のマネージメントしているGP2ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグをF1にデビューさせたいようで、シューマッハの復帰はあまり歓迎されるものではないようです。
<今季「初」優勝、さらにはKERS「初」勝利>
今回、優勝したのはマクラーレンに乗る、昨年のワールドチャンプ、ルイス・ハミルトンがついに今季初優勝、しかも今年の目玉商品技術だった、エネルギー回生装置(KERS)の初優勝でもあります。
昨年のワールドチャンプであり、ディフェンディングチャンプは今年から改定された空力レギュレーションに翻弄され、ブラウンの2.5秒落ちというところまで落ち込んだこともあっただけに、優勝までに苦労が並大抵なものでなかったことは言うまでもなく、さらに言えば鳴り物入りで登場した新機軸のKERSが重く、クルマのバランスを損なうものであることも、この場でずいぶん言い続けていたが、そのKERSを最後まで使い続けていたマクラーレンに報われる勝利ともいえるでしょう。
<今週の悲運さん、1号>
二年ぶりのポールシッターで息巻いていた元ワールドチャンプのフェルナンド・アロンソは、スタート時にマクラーレンに追い立てられながらも1位を死守、一番軽い量のガソリンでタイムを稼ぎ、ピットでタイヤを変えながら前に進む戦略をもくろんでいたのだが、その思惑もピットのワークミスでタイヤをロックする間もなく発進してしまい、コースの半分近いところでタイヤが脱落、残りを3輪走行でピットまでたどり着くものの、周回遅れとなってしまった後にリタイヤ、久々の優勝をフイにしてしまった。
これには、チームの監督フラビオ・ブリアトーレも頭を抱える状況で、アロンソとしてもモチベーションの落ちるルノーにい続けるか、それとも、地元のスポンサー「サンタンデール銀行」のマネーを引っさげて、移籍をするか?その答えを近日中に出すことになりそうです。
<今週の悲運さん、2号>
さらに不運なのが、レッドブルのセバスチャン、ベッテルである。
スタートからKERS3台のけん制に巻き込まれずるずると順位を落とし、トップ争いに脱落、さらには、レースの途中でオイル漏れ(ミッション?)を起こし、最終的にリタイヤとなってしまった。
ワールドタイトル争いに向けて、ある意味正念場とも言える現状で、この結果は非常に痛い。
<今週のザ・グッバイ(野村義男かよ!)>
今週でルノーを解雇されるのが、ネルソン・アンジェロ(ネルシーニョ)・ピケ。
アロンソが早々にリタイヤする中で意地を見せ、新空力パッケージを駆使してコースに居座るが、ピットアウトで中嶋のウィリアムズに周回遅れなのにもかかわらずサイド・バイ・サイドの攻防をするなど、正直言ってあれでアクシデントを起こしたらいったいどうするつもりだったのでしょう?
パパの時代にも70年代のイギリスF3で、チコ・セラと熾烈なポイント争いを演じていたパパ・ネルシーニョが、マシントラブルで調子の悪い状態の中、チコ・セラにポイントを与えてなるものかと彼をわざと押してコースアウト、そのあおりを食ったのが、当時、イギリスに武者修行していた中嶋悟その人で、88年のロータス・ホンダ体制時に、ピケがこのことについて白状した上に謝罪をした歴史があるだけに「歴史は繰り返す」ではこまったものです。
<今週の「憎まれそうなニューフェイス」>
トロ・ロッソのセバスチャン・ブルデーが解雇、交代でデビューしたハイメ・アルグエルスアリ。
予選では最下位の20位と言う予選システムや車の状態を考えれば「無事これ名馬なり」なのかもしれないが・・・と思っていたら、本戦の彼のピットワークなどがなかなか非凡で冷静沈着な対応、しかも、ブービーではあるものの先輩のブエミを終始抑えて完走するところなどは、ひょっとしたらベッテルに続く素材になるかもしれなません。
変ないじられ方をしなければ・・・ですが
<今週の「悲しき水中翼船」>
マゼラン海峡で、シンドバッドになって
君の涙を一粒、コンパス代わりに
(「悲しき水中翼船」よりBy中嶋悟)
とまぁ、息子の一貴選手・・・9位でフィニッシュでしたが、途中でピケに押し出されるとか、バトンに抜かれるなどしながらも、最後まで1ポイントを争う中にしっかり残り、トゥルーリ、中嶋、バリチェロで8位争いを行うヘビーな戦いに残っていたのは、今回の評価に値するところで、ある意味「親父譲り」の「シコシコ引いていく納豆走法」を受け継ぐものとして、その片鱗を見せてくれたように思います。
<今週のシャミセン大魔王>
それにしても、今回のジェンソン”シャミセン”バトンの「オーバーが出る、何でこのクルマハードだと調子が悪いんだ!」のコメントから、もしかしたらタイヤ交換で中嶋が順位浮上するかと思ったら、ちゃっかりタイムをホールドしていたところは、見事なシャミセンの弾きっぷりでした。
<そして、F1は「夏休み」に>
ハンガリーGPが終わると、F1には「夏休み」が用意される。この二週間はファクトリーを空けることも禁止と言う、新ルールによってF1は完全な休みとなります。
8月23日にバレンシアの市街地で行われるヨーロッパGPまで、しばしの休憩をドライバー・チームともにエンジョイできるのでしょうか?