三月バルコニーに立って、すぐ近くの伊丹空港におりたつために上空を通り過ぎていく旅客機の、大きな唸りを聞いていると、目の前の手すりを乗り越えてしまいたい衝動に駆られる。日が暮れても暗くなることのないこのすぐ上を、途切れることなく通過する大きな翼と白い腹。風がないのだな、今日は。灰色の味気のないバルコニーに花でも植えてみようか。