社台スタリオン 来年の種付け料を発表社台スタリオン 来年の種付け料を発表
火曜日に社台スタリオン繋養種牡馬の2026年度の種付け料が発表となりました。例年と比べると少し遅めの発表だったかな?日本競馬をリードする種牡馬たちの種付け料は、今後のトレンドを左右する大きな要因のひとつ。一口においても切っても切れない要素ですから、しっかり確認しておきましょう。ということで、①適正 ②お買い得? ③割高? の3パターンに分けてそれぞれ簡単にコメントしてみたいと思います。①適正価格・キタサンブラック(2,500万円/↑500万円)⇒:芝王道路線の王者。毎世代GⅠ馬を送り込んでおり妥当な値上げ。牝馬がGⅠ獲れば言うことなし。・キズナ(2,000万円/→)⇒:ダートではナチュラルライズが二冠も、芝路線では価格帯を考えると正直物足りないが、今年も種牡馬リーディングで首位を走っており一定の評価はできる。でも個人的な感覚は高い。12M。・エピファネイア(1,500万円/↑300万円)⇒:2歳リーディング独走中。産駒の気難しさは引き続きの弱点で、特に牝馬は古馬になってからの心配はあるが、クラシック路線で楽しめる可能性が高いのは価値が高い。・ロードカナロア(1,200万円/↑200万円)⇒:3頭がGⅠを制覇。1,200~1,600m路線ではやはり堅実な種牡馬ではあるが、1,000万円キープでいて欲しかった。最近は個人馬主>クラブ馬の傾向。・アドマイヤマーズ(500万円/→)⇒:初年度から二冠牝馬を出したものの、重賞馬はその1頭のみ。牡馬が(勝ち上がりは良いものの)全く走っておらず、若干の割高感は否めない。・エフフォーリア(400万円/→)⇒:産駒は来年デビュー。父エピファネイアのような活躍が出来るかどうか・ルヴァンスレーヴ(400万円//↑150万円)⇒:初動が遅かったため色々言われたものの、特に牡馬は45%を超える勝ち上がり率。産駒は極端にダートに振れているものの、この値段までであればOK。これ以上上がる前に買っておきたい種牡馬かも。・ルーラーシップ(400万円/→)⇒:18歳で種牡馬晩年。ソウルラッシュ、ヘデントールと後継候補も十分。最後に一旗揚げられるか。・オルフェーヴル(350万円/→)⇒:こちらも晩年。ウシュバテソーロが後継としてスタッドインも、芝で後継を残せるか。・シュネルマイスター(350万円/→)⇒:再来年産駒デビュー。肌馬は集めているため来年の募集を期待しています。・サリオス(200万円/→)⇒:来年産駒デビュー。同じタイミングでスワーヴ値上げ+ドウデュースの種牡馬入りがあったため、ハーツ後継の激しい争いに巻き込まれて思ったよりもノーザンからのバックアップが薄い印象。初年度&2年目の産駒の責任が大きいが、頑張れるか。・マインドユアビスケッツ(200万円/→)⇒:初年度産駒デルマソトガケのバブルで上がった期待がかなり落ち込んだものの、今年はAEIが1を超えるなど及第点の活躍は見せており、200万円ならばといった感じ。ただ外国種牡馬枠の争いは激しく、もう少し大きなタイトルを取る馬が出てこないと追い出されかねない。・イスラボニータ(150万円/↓50万円)⇒:地味ながら堅実に産駒を走らせてきたが、今年は長らく右肩上がりだったAEIが0.78と沈んでおり、ちょっと怪しい気配も。もう少し社台F側のバックアップがあればと思わないでもない。・グレナディアガーズ(150万円/→)⇒:再来年産駒デビュー予定。・ホットロッドチャーリー(150万円/→)⇒:来年産駒デビュー予定。意外と芝に振れそうで、初年度産駒の走りが楽しみ。②お買い得(?)・ドウデュース(1,000万円/→)⇒:今年の価格&ラインナップを見ると、芝の大舞台で夢を見れる種牡馬としての期待値・コスパは一番高いのでは、という感想。産駒のデキを見てではあるが、デビュー前が一番ねらい目になりそうで初年度から大注目です。・モーリス(600万円/↓200万円)⇒:特にNF産は「2歳戦に強く徐々に萎んでいく」マイナスイメージがやや強いですが、牡馬の数値水準は依然として高く、600万円なら社台SSの種牡馬の中だと非常に高コスパな印象です。狙いたい。・クリソベリル(250万円/→)⇒:今年産駒がデビュー。2歳世代のダートレースが本格化するのはまだ先ながら、既に8頭が勝ち上がっており、楽しみな勝ちっぷりの馬もチラホラ。昨年同時期のルヴァンスレーヴと比べても非常に優秀だと思いますし、一族的には晩成の血ですから、今後のダート路線を牽引する可能性もある種牡馬だと思っています。楽しみ。・シャフリヤール(200万円/↓50万円)⇒:当初は受胎率の低さを理由に種牡馬引退と報道されていましたが、足元のテストで合格基準を超えたため引き続き種牡馬として繋養可能とのこと。良かったです。ダービー馬初の海外GⅠを制覇し、息の長い活躍を見せたディープ産駒がこのお値段というのは非常に魅力的でしょう。優秀な母系ですし、キズナ狙うならこっち買いたいですよね。全一口民そうだと思いますが③割高(?)・イクイノックス(2,500万円/↑500万円)⇒:産駒デビュー前に2,500万円。やり過ぎな気はしますが、20Mでも引合多かったんでしょうね。自前で抱え込んで、優秀な繁殖に付けまくりたいという意思の表れと取ってます。が、産駒に出資することは(少なくとも40口では)ないでしょうね笑。・コントレイル(1,800万円/→)⇒:初年度産駒は頑張っていますが、まだ重賞馬も出てない段階ですし一旦はこの位置で。クラシックでどれだけ存在感を示せるか次第で評価は変わりますが、「思ったよりもキレない」のが非常に気になってます。意外とダートや短い距離の方が結果残すかも……?・スワーヴリチャード(1,200万円/↓300万円)⇒:初年度産駒の大活躍で跳ね上がった種付け料は若干ダウンも、まだまだ割高。レガレイラが特異点なだけで、3歳・2歳世代はまあまあひどいです。とはいえ勝ち上がり率等は優秀な数字が残っていますし、600~800万円くらいであれば非常に優秀な種牡馬だと思います。・サートゥルナーリア(1,000万円/→)⇒:初年度産駒は2頭の重賞馬&ダービー3着と一定の成績は残しましたが、OP馬は2頭のみ。2歳世代も牡牝に楽しみな馬が出てきていた中、フェスティバルヒルの骨折は非常に痛かったですね。とはいえ10Mはちょっと高いかなぁという感覚で、800万円前後で抑えてもらえれば個人的には嬉しいです。でもこのメンツの中だと割高感は一番マシですね。・ドレフォン(800万円/↑300万円)⇒:恐らくミッキーファイトの活躍による値上げでしょうが、勝ち上がり率やAEIは優秀寄りとはいえほぼダート専で800万円は高いです。ドバイやサウジみたいな高額賞金レースで結果出したわけでもないですしね。・ナダル(800万円/↓200万円)⇒:初年度産駒の鮮烈なデビューで一気に1,000万円まで上がりましたが、結局古馬重賞レベルで戦えそうな馬は1~2頭ということで、今年は200万円減。これでもまだ高いですねぇ。個人的には5~600万円くらいまで落ちてくれないと手が出ないです。・シスキン(400万円/↑100万円)⇒:こちらも数が少ない初年度産駒が活躍し、今年は100万円アップとなりました。2歳世代も悪くない走りを見せていますが、とはいえ足元で重賞未勝利の種牡馬で400万円はちょっと高くない……?現2歳からクラシック戦線で活躍できるレベルの馬が出てこないと、ちょっと割高かなぁという感覚です。④社台SSからの放出&放出候補組・ブリックスアンドモルタル(200万円/↓200万円)⇒:社台F肝入り案件でしたが、遂にドナドナとなってしまいました。期待していた芝路線では活躍馬が出ず、結局ダート種牡馬でしたというのが一番残念だった要因ですかね。産駒の気性が荒いこと、自身がStorm Catの3×3を持っているため、国内主流血統とぶつかる点もマイナス要素でしょう。200万円なら引合はあるでしょうし、日高方面で一定の需要は集めそうです。でも期待外れでしたね。・レイデオロ(200万円/↓50万円)⇒:牝馬が壊滅的なのは今年も変わらず。NF産は多少改善していますが、これでは他所からの種付けオファーは集まらないでしょうし、商売的な意味合いからも放出は間近でしょう。2年連続菊花賞3着など、可能性は感じるんですけどね。出資者目線では(牡馬は)嫌う必要はないですが、馬産地的には厳しい種牡馬です。・サトノクラウン(100万円/↓50万円)⇒:タスティエーラで特大ホームランをかまして以降は満足にヒットが出ていない状態で、ホークス在籍時のリチャードみたいな存在になってきました(トレードの弾になる日も遠くはないでしょう)。血統的には希少価値は高いんですけどね。数字面を見ると、とてもじゃないけど擁護できません。一番厳しいんじゃないかな……。・ダノンキングリー(100万円/↓50万円)⇒:現時点では3頭が勝ち上がり。肌馬の質がそこまで高いわけではないので仕方ありませんが、やや低調な滑り出しです。競争の激しいディープ後継枠ですし、シャフリヤールが種牡馬継続となると枠はダダ被りですから、2年目の産駒までから大物候補が出てこなければ見限られる可能性は高いです。期待しているので頑張って欲しいんですけどねぇ。当たりが出るとしたら非NF産でしょう。・ポエティックフレア(Private)⇒:初年度産駒から、リアライズシリウスがいきなり新潟2歳Sを圧勝。勝ち馬率36%と素晴らしいスタートダッシュを切っていますが、受胎率のあまりの低さから引き続きPrivateに。それでも繋養中止とならないのは、それだけ産駒の走りが高く評価されている証拠でしょう。NFや社台生産で今後も年数頭は募集に回る可能性がありますので、出てきた際には要注目ですね。