乗車路線:東海道本線,福知山線

乗車区間:新大阪1005発→篠山口1103着

乗車列車:こうのとり5号(3005M)

乗車車両:福フチ289系2000番台FG411編成(1号車6番C席)

座席種別:グリーン車指定席(eきっぷ利用)

 
 
「くろしお」に充当されていながら、新宮まで乗り入れておらず、登場から2年を経てもなお、まるで乗車する機会に恵まれない289
そこで、料金券を追加で購入すれば特急にも乗れる関西1デイパスを活用し、「こうのとり」に乗りに行ってきました
 
しかし、せっかく関西一円が乗り放題となる関西1デイパスを購入したのに、「こうのとり」に乗って篠山口へ行くだけでは勿体ないですよね
そこで、ついでに「スーパーはくと」に乗って姫路へ行ったり、「びわこエクスプレス」に乗って近江八幡へ行ったりと、鉄分を満たすために彼方此方出かけてきたので、旅行記をまとめておこうと思います
 
なお、この書庫の記事では便宜上…
◆クロ288形からクロハ288形への合造車化改造→半室G化
◆289系2000番台→289系
◆683系4000番台→ヨンダー
◆683系0・4000番台リニューアル車→リニュダバ
との略称を使用しております
 
どうせ289系に乗るなら、半室G化改造によって近い将来形式消滅することが確実なクロ288形に乗車したいところです
すでに「くろしお」用の289系では、半室G化工事施工/未施工にかかわらず、G席は15人分しか販売されていません
 
一方、「こうのとり」では、e5489でシートマップを確認してみると、両車の運用がはっきりと分けられているのか、クロ288形が充当されている列車ではきちんとグリーン席が30人分発売されています
つまり、「くろしお」とは違い、「こうのとり」ではe5489でシートマップを徹底的に調べることによって、クロ288形へ狙って乗車することが可能なわけです
 
せっかくなので、半室G化工事で消滅するグリーン車の1号車6C席をeきっぷで確保して、新大阪駅へ向かいました
 
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(※別日に撮影)
本家の683系では、リニューアルに伴い前頭部も含めて塗装が変更されていますが、289系はオリジナルのグレーを基調にしたスタイルを維持しています
 
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室内に一歩足を踏み入れると、はんなりとした間接照明に彩られた空間に重厚感溢れるブラウン系の座席が3アブレストで並んでいます
 
狭苦しく感じる287系の半室グリーンと違い、空間にまるで圧迫感を感じません
やはりグリーン車というからには、座席のみならず空間にもこれくらいの”ゆとり”が欲しいものですね
 
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肝心の座席ですが、リクライニング角度は控えめながらも、腰掛けてみるとバックレストのホールド感と座面の重厚感に驚かされます
近年の詰め物をケチった硬い座席とはまるで別物で、これほど座席が体に迫ってくる感覚を味わえる座席に久しぶりに出会えたような気がします
 
特に、座面については臀部が座席に吸い付くような驚きの感触を味わうことができます
よく見ると、座面に深い彫り込み線が2本入れられており、どうやらこれが重厚な座り心地に貢献しているようです
 
これに対して、後に乗車するリニュダバのG席ではこのラインが1本しか入っておらず、座面の重厚感では289系に劣るものとなっています
 
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一見、薄くて硬いように見える枕も程よい弾力を持っており快適です
これだけでも、枕を大きくし過ぎて首周りがまったく落ち着かない287系のグリーン席より格段に優れています
 
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フットレストは、グリーン車でお馴染みの土足面/素足面が切り替わる反転式で、素足面にはモケットが張られています
しかし、土足面についてはグレーの表地がグリーン車らしからぬ安っぽさを漂わせるビニール張りで、少し改善して欲しいポイントです
この点について、リニュダバでは土足面がきちんとビニールからカーペットに張り替えられているので、287系や681系も改善できなくはないはずです
 
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まるで龍安寺の石庭を思わせるような渋い色合いの網棚の飾り布もとても上品です
 
しかし、Twitterに掲載されていた写真を見る限り、半室G化後はヨンダーと同じような白基調の飾り布に交換されており、妻壁との調和がまるで取れていません
敢えて、視覚的にグレードダウンするような改造はグリーン車にして厳に慎むべきかと思われますが、敢えて交換する意味合いはあるのでしょうか
 
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いまのところ、クロ288形にはこのような形で妻壁にコンセント(前後に合計6口)が設置されています
しかし、半室G化後はこれが撤去された上で、各グリーン席のソデ体にコンセントが設置されるため、記念にクロ288形のコンセントも撮影しておきました
 
さて、この289系のG席は100点満点といきたいところですが、バックレストにちょっとした難点を抱えています
それは、ランバーサポートの張り出しが大げさ過ぎて、リクライニング時に腰部ではなく、背中に当たってしまうことです
 
つまり、平常時には問題ありませんが、座席をリクライニングした時に、座席のラインに体を合わせる必要性が生じます
ただし、私の場合は着座後すぐに慣れたので、大した問題ではないかもしれません
 
そして、いざ走り出すと287系とは違い289系の静粛性の高さに驚かされます
グリーン車であっても客室内にVVVF音が響き渡る287系とは違い、クロ288形は純然たる制御付随車なので、静粛性はかなり高く、客室内にはジョイント音やブレーキ作動音しか聞こえてきません
 
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篠山口に到着しましたが、新大阪から1時間の乗車ではまるで物足りませんでした
そう思えるほどに289系のグリーン席は、快適の座り心地を旅人に提供してくれます
 
半室G化工事施工後もソデ体にコンセントが増設されたくらいで、座席やモケットは交換されていないので、今度は帰省ついでに「くろしお」でじっくりとこの座席を味わってみたいです
 
そして、グリーン席でこれだけの快適性を誇る車両が新宮くろしおに充当されていなのがつくづく残念です
今度「くろしお」で289系に乗車した際には、クロハ288形の詳細な乗車レポートをお届けしたいと思います