左翼系の人間や報道に接する度にそう思うのです
もちろん、左寄りの思想というのは多かれ少なかれ「国家」性を否定するので、反「(国民)国家」的になるところまでは理解できます

ところが、なぜか日本の左翼というのは反「国家」的ではなく、反日的な人が多いように見受けられます
日本の「国家」性やナショナリズムは否定するくせに、韓国や中共の「国家」性を無条件に肯定している人も多いように思います

ブッシュを虐殺者呼ばわりする一方で、チベットに対して非道な振る舞いを行った胡錦濤には何も文句を言わない似非左翼がゴロゴロしてるんですよね
私からすれば、こういう人たちに左翼を名乗る資格は無いと思います

かつて、韓国の著名な大学教授が私の在籍している大学で講演(日本語)したことがあります
主題目はヘイトスピーチで、これに関しては色々と議論もあると思うのですが、それは別項に譲るとして、この講演の後半でいきなり憲法9条を礼賛し始めて驚かされました

確かに、憲法9条が戦後日本の平和に寄与してきた点は否めません
もし9条が存在しなかったとしたら、西側諸国の一部に完全に組み込まれて米軍の尻拭いばかりさせられてたことは間違いないでしょう

だからといって、9条のみで戦後日本の安定が担保されてきたと考えるのはあまりにも浅はかだといえます
9条が内から外へ出るのを防いで、日米安保が外から内へ入ってくるのを防いだ、と考えるのが妥当なところではないでしょうか

9条を礼賛する韓国人がいたら、「もし9条で平和と安定が達成できるとしたら、北朝鮮と対峙している韓国の方こそ9条を採り入れてはどうか」と聞き返したいものです
韓国人に限らず、外国人がこうして9条を褒め称えているのを見ると、「日本に対して、いつまでも戦後体制を、そして東京裁判史観(敗戦国史観)を押し付けておきたい」という意思が垣間見えます

片や、日本人が9条を褒め称えているのを見ると、とにかく世界の秩序を乱すのは日本だけで、周辺には平和を愛する諸国民しかいないのだから憲法9条さえ守っていれば世界は平和になると本気で信じている人が多いです
要は、先の大戦も日本の一方的な侵略で、9条がなかったらまた日本は悪に手を染めるって思ってるんでしょうね

これからアメリカの力が相対的に低下し、世界のパワーバランスは変化していく中で、日米安保と9条にすがりついて安定が得られる時代は終焉を迎えようとしています
集団的自衛権行使容認を日米同盟強化以外の方向へ向けて欲しいものです