パトカーが走りまわり、シーシェパードが跋扈するのが日常となってしまった我がふるさと・太地町
いま、この町で足かけ30年にも及ぶ長期に渡って計画されている事業が、森浦湾クジラの牧場化計画です

おそらく、森浦湾と言われてもまったく知名度は無いし、私のつたない文章では分かりにくいと思いますので、読売新聞のURLを掲載しておきます(本当は、グーグルマップから切り取ってきたやつを貼り付けたかったのですが、やり方が分かりません…)

この計画は、太地駅からもほど近い、森浦湾を巨大な生簀とし、そこにミンククジラやゴンドウクジラなどの小型鯨類を、いわば放し飼い状態にして、観光客らと触れ合って楽しんでもらおうというもの

新聞にはこの他に、鯨類の研究に力を入れることくらいしか書かれていませんが、昨日この計画に関するシンポジウムに参加し、より詳細な情報を得てきましたので、あえて私のブログで私の責任のもと記すことにします
土地勘の無い方には申し訳ないのですが、グーグルマップで太地駅か森浦湾と検索をかけてみて下さい

構想としては、県道240号沿いのナベワリ商店さんから三幸漁業生産組合さんにかけての湾を船でしかアクセスできない海水浴場とし、近くの町有地に更衣設備を建設
その近傍に、湾内を遊泳するクジラを眺めながら食事をすることのできるレストランを建設し、その経営を漁業協同組合が行う
さらに、現在は閉鎖されたグリーンピア南紀の目の前、国道42号線から少し外れたグーグルマップで網干ノ鼻と記されている海岸を、有料で使わせて磯体験なんかしてもらおう(昼食にシーフードカレーでも付けて)

以上が、昨日のシンポジウムで得てきた情報で、新聞などのメディアにはまだ掲載されていない、というより太地町民ですら計画の全貌を知っている人は少ないと考えられます
件のシンポにしても、平日の15時からという、まるで来てくれなくてけっこうと言わんばかりのスケジュールでしたから

最後の磯体験は、修学旅行需要なんかを当て込んでるみたいですが、せっかくの旅行でこんなことをして楽しいのか甚だ疑問です
修学旅行客数があまりにも少ない和歌山県が”体験学習”を前面に押し出して、誘致に努力しているようですが、どうも空振りの感は否めない感じです
当初こそ、テレビで取り上げられることもありましたが、修学旅行生が増加したなんていう話はまったく聞きません

それどころか、台風12号の影響で観光客数の落ち込みは深刻で、とある温泉のとあるホテルグループなんかは、グループ全体を400億円なら売却してもいいなんていう話が出る始末です
2015年の国体にあわせて串本町にほど近い、すさみ町江住まで高速道路が延伸するので、この状況が好転する可能性がまったく無いわけではありませんが…

話の中で、需要の予測なんかの話題がまったく出てこなかったのがいかにもお役所仕事的というか何というか…
とはいえ、こういったこと事業に付き物のハコモノはレストランとか更衣設備くらいなんで、あんまりお金はかからないみたいです

平成の大合併を蹴って、単独でやっていくと決心した人口3000人の町の命運を握る事業はまだ始まったばかりです