半年ほど前に飼い猫を亡くした。

 

その際に「身の内の者への親しみ・愛情というものを、私は猫から教わった。」とブログで書いたが、正にその通りで、40代半ばを過ぎて初めて大事にしてもらう喜びを知ってしまった。

 

家に帰れば玄関先でゴロンゴロン転がって、私の帰宅を全身で喜んでくれた。

 

歯磨きをするときはソファーに座って、空いている左手で猫をナデナデしながら歯磨きをするのが私たちのルールだった。歯磨き粉のチューブをパチンと閉じる音がすると猫は、どこに居ても私のそばに駆け寄ってきて、ソファーに飛び乗った。

 

病気になって嘔吐が激しくなり、振動が辛くなって抱っこができなくなってしまってからは、猫が横たわっている隣に私も横になり、猫の事をそーっと撫でてやった。それでもダメそうな時は、ただ手をふわっと背中に置いていた。猫は嬉しそうに目を細め、私の顔や首を長い尻尾でふわふわと撫でてくれた。

 

私たちはお互いを大事に過ごしていたと思う。

そのような心のやり取りを、私は家族との間でもった事もないし、そのような心のやり取りができる恋人というのもいなかった。

 

猫が初めて私に「愛情とは何か」を教えてくれた。

私はその甘美で、子どもの頃から欲しくて欲しくてたまらなかったものに圧倒され、メロメロになった。

でも、猫は死んでしまった。

54才の私を置き去りにして。

 

かなり重症のペットロスだと思っていたのだが、これは時間が経てば何とかなる系ではないなと思い始めた。仕方がない。久しぶりにカウンセリングに行ってみるか。

と思ったのが元旦で、三が日が明けないと動きが取れないのがもどかしい(笑)