場面は南の刀屋さん
去年の夏の始めのお話です
登場人物
僕59歳寸詰まりの巨漢
先輩75歳大男こちらもやや巨漢
刀屋さん人の良さげな80歳オーバーBMI高め
さてさて道着のフィッティングは袴に
窮屈な筒袖に居合帯
帯の上に袴の前を合わせます
帯の後ろにヘラを差し込んで前で結びます
どないですか刀屋
ちょっと足開いて腰落としてみます
なぜか膝蹴りを左右
動きにくいですそりゃ生地が
重たいですからね動きにくいかも刀屋
いや生地やないと思いますが僕
動けば明らかにどっかが邪魔する
袴はそんなボトムスではないはず
5つある襞の左右の端は全開
そもそも袴の横ってこない開いてる?
そりゃおたくさんが太いからですわ
もうワンサイズ上を着けてみる
これ以上は普通に立ってるだけで
引きずりますよ足引っ掛けまっせ
動きにくさはさっきと同じ
ほんまに馴染むんなかぁと疑問
疑惑持ちながらもそれでええやろ
道着は普段着やないんやから多少は
動きにくいもんやでと先輩
納得できんまんま筒袖袴居合帯で2万円
おおきに何かあればまた来てください刀屋
ああ来るさきっと来る来てやるとも
ここで生地の話
中学時代剣道で穿いてた袴はテトロン
ポリエステル丸出しの化繊でした
今回の道着はテトレックス
レーヨン編み込んであるのかな
化繊らしからぬ肌触りと質感汗も吸うらしい
生地も進化したんやなぁと見てました
ふと質問
これって黒ですよね?濃紺に見えるけど
いや黒です見てください書いてます
書いてあるのは分かっとる
分かっとるからきいてるんです
光の加減やないですかね多分そやと先輩
違うと思うけどな〜と呟きながら
袋を受け取りました
この道着着て初めての稽古に臨むんですが
先生にまず居合帯はダメと言われます
手持ちの博多帯を借りて一文字結び
太い腹回りにつき二周しかできん
この後三周負ける角帯探してスマホ数時間
博多帯献上柄の濃紺を
九州の祭り装束屋さんで発見
長尺4m90cm即ポチ探せばあるもんやなぁ
話戻ります先生の角帯借りて袴を着けて
稽古の休憩時間
袴短いと皆さんに指摘されました
あの刀屋は剣道屋が本業やからなぁと
皆さんおっしゃいますが今思えば違います
長さだけ言えば合ってたと思います
居合帯は3.5cmの幅しかありません
先生に借りた角帯は8cm幅がありました
袴の前は下帯の上に合わせます
幅が広い角帯の上に合わせれば4.5cm
短くなります当たり前なのです
皆さんに袴短いと言われましたと刀屋へ
もうワンサイズ長いのをタダでくれました
タダには理由があったようですが
それはまたの機会に
僕がポチッた角帯は幅が9cmありましたが
ワンサイズ上で袴は5cm長くなり
何とか短い短いつんつるてんと
言われることはなくなりました
しかし
動きにくい窮屈な筒袖への疑問
引きつるような袴への疑問
黒なのに濃紺の疑問
3つの疑問を残したまんま数ヶ月が経ち
やはり何か違うと確信しました
ひつこいようですが道着の沼④に続く