木材の違い特集!~アコースティックギター~ | クロサワ楽器店公式ブログ

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 木材の違い特集!
~アコースティックギター~

ギターに使われている木材って、どんなものがあるの?
木材の違いで何が変わるの?

今回はそんな疑問を解決する
「アコースティックギター木材の違い特集」

をお届け!

アコースティックギターに使われる木材の違いについて解説していきます♪

目次

アコギに使われる木材の役割

アコースティックギターは木材でボディが構成され、その木材の種類の違いによって生音が ガラッと変わることもあります。

つまり、木材の選択はアコギにとって非常に重要なのです…!

そんなアコギの要とも言える木材の種類ですが、アコギの各パーツによって主要なものは異なってきます。
今回はその中でも特にご紹介したい三種類「トップ材」「サイド&バック材」「指板材」をピックアップ!
これらの比較的ポピュラーな木材をご紹介していきます♪

トップ材編

アコギの表側の板に使われているのがトップ材です。

この部分でアコギのサウンドの音量の大きさや音質、芯が決まってくるため、重要な役割を担っています!

トップ材には比較的柔らかめの木材が使用されることが多いですが、オールマホガニーモデル等 サイド&バック材に使われるような硬めの木材がトップ材で使われることもあります。
その際にはサウンドは柔らかく丸くなる傾向にあります。

それでは早速、ポピュラーなトップ材をご紹介していきましょう♪

《スプルース》

トップ材の中で最も有名な木材がコチラのスプルース。
アメリカ北部やカナダが主な産地になります。
マツ科に属しており、「大木に成長する松の木」と思って頂ければ分かりやすいですね!
木材自体が軽く、振動の伝達効率が高いため、ギターのサウンドを整え、 美しく引き立ててくれるトップ材において優秀かつ基本と言える木材なのです!

以下では主なスプルースの種類を三種類ご紹介していきます!

シトカスプルース

最も一般的に用いられるスプルースで、軽さと強度を併せ持った優秀な木材。ギターの基音を素直に出力してくれ、バランスも良いのでやや強めなタッチにも追及します!

アディロンダックスプルース

1945年頃までMartin社がトップ材に標準で使用していた伝説的スプルース。スプルースの中でも最高レベルで硬く粘りがあるので、力強いサウンドを出力します。 ヘッドルームの大きさも特徴でブルーグラスプレイヤーが使ってもサウンドのバランスが崩れません!供給量は少なく、希少価値の高いスプルースです。

イングルマンスプルース

スプルースの中でも柔らかめで、中音域がふくよかにでるイングルマン・スプルース。指弾きでの反応が良いため、フィンガーピッキングにもオススメ!近年は良材が少なく希少価値が高くなりつつあります。

《シダー》

トップ材の中でスプルースに次いでポピュラーなのがコチラのシダー材。
シダー材はヒノキ科に属し、アメリカ北部が産地なことが多い木材です。
コチラも「大きな杉の木」をイメージして貰えればOKです!

トップ材の中でも最も軽い種類の多い木材で、サウンドのレスポンスが良く、指弾きに向いていることから、フィンガーピッキング向けのアコギや、クラシックギターに使われる木材です♪

サイド&バック材編

アコギの側面の板と裏面の板のことをサイド&バック材と呼びます。

基本的には側面と裏面の木材は同一のものが使用され、サウンドのキャラクターを決定する木材となります。
杢目が美しいものはアコギを彩り、見た目にも楽しめるものに仕上げてくれます♪

それでは、サイド&バックに使われる主な三種類をご紹介します!

《ローズウッド》

アコギのサイド&バックの定番材と言えばこれ!ローズウッド材です!

ローズウッドは南米原産のマメ科の植物で、長い年月をかけ大木へと成長します。
サイド&バックにした際は、重厚で煌びやかなサウンドキャラクターを持つオールマイティなサウンドを響かせます♪
現在では家具や楽器に使われてきたことにより個体数が激減し希少な種類が多いため、高値で取引される傾向にあります。

以下ではポピュラーなローズウッド三種類をご紹介します♪

ブラジリアンローズウッド

「ハカランダ」の別名を持つ最も有名なサイド&バック材。ブラジルの一部地域に生息しています。 ローズウッドの中でも非常に硬いため、硬めでパワフル、倍音も豊かなサウンドとなります。存在感と貫禄を持つ音色は、まさにローズウッドのトップ! 現在ではワシントン条約で厳しく規制されているため、非常に高価な木材となっています。

インディアンローズウッド

Martin社がブラジリアンローズウッドの代替材として採用したのがこのインディアンローズウッド。 その名の通りインドや東南アジアが主要産地となっています。 柔らかく繊細な倍音が響き、クセも少なめなので汎用性が高いサウンドに仕上がります。 徐々に規制が厳しくなりつつありますが、比較的杢目の綺麗な個体が現在でも流通しています♪

マダガスカルローズウッド

コチラもブラジリアンローズウッドの代替材として有名なローズウッド。 ブラジリアンと外観や音響特性的にも近い木材です。Martin社がブラジリアンの代替材として採用しました。 ブラジリアンをやや落ち着かせたようなサウンドを持ち、Martinギターの高級機種にしばしば使用されます。

《マホガニー》

ローズウッドの次に有名で定番と呼ばれる木材がこのマホガニー材!

中南米が主な産地で、分類の上ではセンダン科マホガニー属に含まれます。
ローズウッドと比べ軽く、サウンドもカラッとした軽快な響きになります。

独特の軽やかさと甘いニュアンスを含んだ音色はローズウッドには無い魅力を持っており、コチラも人気の高い木材となっています!

《メイプル》

アメリカ・カナダ・ヨーロッパ諸国に広く分布するメイプル材。
カエデ科カエデ属に分類され、主にバイオリンのボディ材や家具に用いられます。
アコギに使用した際には歯切れがよく、何処かリッチでジャキッとしたサウンドになります。
美しい模様の出る個体もあり、「フィギュアード・メイプル」「フレイム・メイプル」等の呼び名で重宝されます♪

指板材編

アコギのネックの表側部分に取り付けられている木材が指板材となります。
ここの材質が変わるだけでサウンドにも変化が起きてきます!

最後に指板材のポピュラーな二種類をご紹介♪

《エボニー》

カキノキ科カキノキ属のエボニーは、日本では黒檀と呼ばれる希少材。
主な産地はインドやスリランカ等の南アジア方面です。

アコギの指板材として使用すると、音の輪郭がくっきりとしてクリアになり、倍音豊かな重厚なサウンドとなります♪

《ローズウッド》

サイド&バックでおなじみのローズウッドも指板材に使われる木材の一つです。

指板材として使われると軽やかでレスポンスの良いサウンドキャラクターとなり、軽快な音色が心地よくなります♪