自己の中心

上手に光合成できると、幸せに包まれてその日の夜はぐっすり眠れるんだ、って金巻さんが言うもんだから、僕も頭に植物を植えてみたんだ、、
太陽の光はキラキラ美味しくてポカポカ温かくて優しく包み込んでくれた。
はぁ~なんて幸せなんだろうか、世界中の人がこんな気持ちなら戦争とかくだらない事がなくなるのにな~
次の日、僕と金巻さんは手分けして道行く人の頭に植物を植えていった。
植えられた人達は多幸感に包まれ僕の志しに賛同してくれた。
そんなこんなで半年で五千人くらいの同志を得る事ができたが、その分国際的に指名手配されるようになっちゃった。
なんで分かってくれないんだ!こんなに素晴らしい心と体になれるのに!
僕らは色々なところで迫害され多くの仲間を失ったが、植物さえ植えてしまえばこちらの仲間にできてしまう点で優位であった。
五年が経った頃僕らは世界の約半数の人の頭に植物を植えていた。
人間は僕らを人と見なさなかったし、僕らも人間を認めなくなっていた。
人間達は防衛手段として日の光が地上に届かないように大気圏に何かよく分からない物を撒き散らした。
これにはさすがに困り果てた。
日の光を浴びない日が数日過ぎると僕らの仲間達は殺気立っていき、半月が過ぎた頃から各地で大規模なテロが起こるようになりそのまま世界大戦に突入してしまった。
こんなはずじゃなかったのに、、僕は後悔したが今更どうにもこうにも事が大きくなり過ぎていた。。。
数年後、金巻さんや多くの仲間達、人間が世界から消えて、残された僕らは地面に根をはりまたいつの日か陽の光を浴びれる日が来るまで少し眠る事にした。
END


