黒字経営への道

黒字経営への道

経営の実践と学びの中から、気づいたことを
気づいたままに書き綴った振り返りブログです。

集客など最初から全てうまくいった場合(実際に初月から黒字というのは稀)の介護事業所の年間の現金の動きについて考えてみました。(細かい部分は省略して大きな動きのみ)

 

月商5000万で経常利益250万の場合、年商6億・経常利益3000万となります。利益率5%の黒字の会社。しかし介護報酬の9割は2ヶ月後入金なので(4500×2)9000万の現金は常にマイナス。

 

経常利益の方は3000万円の40%が税金として1200万円、予定納税600万、計1800万円が税金として引かれますから1200万が現金として残ります。

 

ということは介護報酬2ヶ月分のマイナス9000万がマイナス7800万になって1年間終了。この不足分7800万円を資本金として持っていれば問題ありませんが、なければ家賃や人件費などが払えないことになってしまいます。

介護以外の事業でも遅れて入金される売掛金は現金のズレとなるので、黒字でも現金が足らないというケースの一因がこれ。

 

一般的には創業時の事業規模はもう少し小さく、不足額も少くてすみますが、いずれにしても十分な運転資金を準備しておかないと黒字なのにお金が足らないということになってしまいます。

 

この不足する運転資金を返済のある長期借入金で準備するか、返済のない短期継続借入で準備するかは銀行との相談です。本来運転資金は返済のない準資本的なものであるとありがたいなと思います。一方で返済の数年間は苦しくても、返済が終われば新たな借入をして現金に余裕を持つという考え方もあり。

ここも大切な社長の選択です。

 

マスコミ等ではあまり報道されない中小零細企業の賞与事情。賞与は給与と違い業績によって支給されるものです。業績によっては支給されないこともあるわけで、半年間の単なる努力で支給されるわけではありません。半年間の利益の積み重ねが分配されるだけです。
 

多くの経営者がよりたくさん支給したいものの、利益が出ていなければ支給できず、会社が赤字なら支給ゼロ。また季節資金として融資を受けたとしても5ヶ月で返済できる範囲まで。

ある会社では過去最高の業績を上げても、銀行との関係から半分しか支給できなかったそうです。(次の支給時に上乗せ)
現場の頑張り=お客様増=賞与原資増という単純な関係ならいいのですが、立ち上げ時の借入返済等いくつかの要因が組み合わさり支給に至る賞与。年2回の経営者の一大イベントともいえます。

かつては毎月の事業所の実績と賞与が別と思っていた管理者もいましたが、そこはしっかりつながっています。賞与が出て当たり前でなく、事業体としてしっかり成果を出せた結果が賞与です。もちろん赤字になったり賞与支給できないのは社長ひとりの責任。

 

立ち上げ時の返済が終わる頃には会社は次のステップに進む時期。最初はわけわからず見様見真似の10年ですが、次の10年でかなり会社らしくなります。

一倉イズムとドラッカー教授の共通点があるような気がしていたところ『一倉定社長学シリーズ』の最初の巻でその接点を見つけました。すごい発見をしたような気になっていたのですが、今回最終巻で大発見。

 

『断続の時代』を駄作中の駄作、何度読んでもわけわからないと酷評されているのです。(何度も読んでいるところも凄い)

ただ、この後の教授の著書は切れ味鋭さが戻り(名著復活)ひと安心とも言われてますので、教授の著書をほぼ読まれるほどリスペクトされていた可能性がとても高いのではないでしょうか、

(大きなお世話ですけど、勝手にスッキリ)

 

ちなみに『断絶の時代』だけは教授が集大成を書くつもりで充分時間をとったから本来の切れ味が鈍ったと推測されています。

工場でもギリギリの人数の時は不良品が少なく、余裕を持った時ほど不良品が増える。ゆとりが必ずしも良いわけではないという事例としてあげられていました。

 

自分自身、読解力がないため、以前ドラッカリアンの先輩に勧められた『経営者の条件』と『現代の経営上下』だけ、やっとのことで数回読みましたが、ほぼ抜けています(笑)。

 

経営するという仕事は、現業のスキルとは全く別のところにあり、ただ法人作って代表になれば経営者という簡単なものではないことだけはわかってきました。業績を伸ばしている会社は知っているかどうかは別として原理原則に則って成長しています。ある意味天才経営者です。

一方、ごく普通の我々凡人が何も学ばずに経営を始めてしまったら可哀想なのは社員さん達。施設を変わる、探すという形でお客様にもご迷惑かけるかもしれませんが、ついてきてくれた社員さん達には申し訳ないだけではすまされない責任が発生します。

 

そして名著と言われる(自分にとっては難著)書籍を幹部も共有して教科書にしている会社も普通に存在する世の中。もっともっと視野と行動を広げ、学び、活動を狭め、深く掘り進めるだけです。