「ホワイトアルバムチャレンジ」の説明を軽くしたいと思います。ビートルズのディスコグラフィ中でも一際異彩を放つアルバム、「The Beatles」。通称「ホワイトアルバム」ですが、ご存知の通り2枚組で構成されていますこのアルバム、様々なジャンルの音楽を横断するようなボリューム満点の内容となっている反面、どうして散漫だという評価が付き纏います。プロデューサーのジョージ・マーティンも曲数を減らし一枚組にするよう提案していたそうです。

 そんなホワイトアルバムを、酷ではありますが2枚組から1枚組のアルバムにするというのが、この「ホワイトアルバムチャレンジ」であります。


 今回チャレンジにあたって自分で定めたルールは、

・レコードで聴かせることを前提にA面とB面は各25分に収める

・本家ホワイトアルバムからのみ選曲

・4人全員の曲を入れる

・オリジナルと同じ曲順はつくらない

です。

 売れ線を狙ったような「ホワイトアルバムのベスト」というよりはホワイトアルバムっぽさを残しつつ、全く感触の違うアルバムに生まれ変わらせたいなと思いつくっていきました。音楽知識皆無ですが自分の感覚を頼ってチャレンジしましたのでどうぞ見てやってください。



A面

 まずA面ですが、こちらはホワイトアルバムっぽさを前面に出したいと思います。そのためA面はジョンの曲を中心に、狂気さや陰鬱な雰囲気、美しさでホワイトアルバムの「混沌」を演出したいなと心掛けました。A面は結構悩みました。

1.Yer Blues

 オープニングはジョン作曲のYer Bluesです。

 私がホワイトアルバムに持つイメージ「混沌」です。よく言えば「多様性」でしょうか。生まれ変わらせると言ってもこの印象からはどうやっても離れることはできないと思ったので、いっそのことホワイトアルバムでも指折りの鋭利な曲をオープニングに据えました。

 このクールさはジョン特有というか、他では味わえない良さがあります。

 地味にCome Together味があって意外とオープニングに向いており、冒頭の掛け声はI Saw Her Standing Thereを彷彿とさせなくもなくもないです。

2.Helter Skelter

 2曲目はポール作曲のHelter Skelterです。一曲に続きトゲトゲのナンバーで前曲との調和を狙いました。
 この曲もビートルズナンバーの中では特に尖っていて、ヘヴィロックの先駆けとなるような曲をジョンより先にポールが書くという作風の振れ幅が凄いです。ベース(おそらくジョン?)がはちゃめちゃに暴れており、とてもホワイトアルバムしていて良いです。

3.I'm So Tired

 はちゃめちゃなヘルタースケルターの後で疲れた、ということでI'm So Tiredです。
 いろんな曲と迷いましたがジョンがこの曲を気に入っていると理由で採用しました。前の曲と次の曲への繋がりが良いですし、あと普通に名曲です。

4.Revolution 1

 ジョンの社会派な曲です。ホワイトアルバムをホワイトアルバムたらしめてると思う僕的ホワイトアルバム四天王の一角、レボリューション9は流石に一枚組に入れると胃が重たすぎるので変わり入ってもらいました。
 とは言ってもメッセージ性もあり、僕はこっちのスローな雰囲気の方がシングルバージョンよりも好きだったりします。

5. Sexy Sadie

 気だるげだけど綺麗なコーラスでしかもかっこいいっていう最高の曲です(恥ずかしながら最後の最後に入れ忘れてたことに気づいて急いで組み直しました😓)。やっぱりエッジの効いたジョンがこの世で1番かっこいいです。

6.Long, Long, Long

 オリジナルでは2枚目A面最後というあまり目立たない位置にいますが、この陰鬱な雰囲気がホワイトアルバム中で結構大事な役割をしていると感じます。美しい曲ですが、あのちょっと怖いアウトロのアイディアはビートルズならではでとても面白いですよね。

7.Happiness Is A Warm Gun

 僕的ホワイトアルバム四天王の中でも最強のこの曲にA面を締めてもらいます。ホワイトアルバムどころかビートルズ全体で見てもかなり重要な曲だと思います。もちろん大好きな曲です。初めて聴いたときの感覚は忘れられません。

B面

B面はA面とは変わってそれまでのビートルズっぽい割と正統派めのイメージで作ってみました。A面はジョン中心でしたがB面はポールを中心に真っ直ぐと楽しめる内容にすることを心掛けました。こちらはかなりすんなりと作っていけました。


8.Don't Pass Me By

 B面最初はリンゴ初作曲のドントパスミーバイです。こちらはオープニングに相応しく、素直に楽しめる教科書的ポップソングだと思います。これからのB面の雰囲気を表すにはピッタリの曲です。

9.I Will

 ホワイトアルバムでは最強のラブソングではないでしょうか。ポール演奏のベースが非常に良い味を出しています。

10.While My Guitar Gently Weeps

 僕的ホワイトアルバム四天王の一角で、ジョージの大傑作です。ギターがとにかくカッコよく、ビートルズのジョージの曲では1番好きなナンバーです。活動後期でジョンポールに並ぶ曲を書けるようになったのは紛れもなく彼の努力の賜物であり、それを上二人のようにただの「天才」という言葉で終わらせてはいけないですね。

11.Savoy Truffle

 この曲ファンが結構多いですよね。私もその一人で、通勤中にホワイトアルバムを聴くといつもサボイトラッフルまで行けるか微妙な時間なので、サボイまで聴くことができた日の仕事は非常に捗ります。

12.Blackbird

入れないわけにはいきません。2フィンガー奏法だとか使ってるようで私には技術的なことはよくわかりませんが、ただこのギターサウンドが僕の心に温かみをくれることは確かです。

13.The Continuing Story Of Bungalow Bil

 こちらホワイトアルバムチャレンジで外している人を良くみます。その理由に「オノヨーコが歌ってるから」というのをよく見ますが、僕はそれも含めてジョンの遊び心が詰まっていてこの曲は結構好きです。サビのベースラインが特に好きです。歌詞も風刺的で皮肉家なジョンがよく出ていますね。

14.Ob-La-Di, Ob-La-Da

 はいバンガロービルはこの曲の引き立て役です(失礼)。あの掛け声を生かすならワイルマイギター以外ではこの曲しかないでしょう。こいつも僕的ホワイトアルバム四天王の一人で、底抜けに明るくポールの良さがふんだんに出ています。

 本家では他の曲の中でも一際明るくひとつのアクセントととして役割を果たしていましたが、ここではエンディングに繋げる最強セットアッパーとしての仕事をしてもらいます。

15.Back In The U.S.S.R.

 エンディングはポール作曲、本家でオープニングを務めるバックインザussrです。

 なにもこの配置は奇を衒った訳ではなくしっかりと狙いがあります。

 最初に書いたように私がこのアルバムに持つイメージは「混沌」です。そういう意味でGood Nightは包み込むようなエンディングです。しかし私は颯爽と駆け抜けるこのロックナンバーで、気持ち良くゴールテープを切るような後味の良い終わり方にしたくこの配置としました。

 この様々な曲達が繋いだバトンをゴールさせるアンカーには、本家でオープニングを務めるバックインザussr以外務まらないと思います。最後のジェット音が痛快にアルバムを締めてくれます。


これが私のホワイトアルバムチャレンジでした


・Yer Blues

・Helter Skelter

・I'm So Tired

・Revolution 1

・Sexy Sadie

・Long, Long, Long

・Happiness Is A Warm Gun

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・Don't Pass Me By

・I Will

・While My Guitar Gently Weeps

・Savoy Truffle

・Blackbird

・The Continuing Story Of Bungalow Bil

・Ob-La-Di, Ob-La-Da

・Back In The U.S.S.R.


 メンバーそれぞれの曲数はジョン6曲、ポール5曲、ジョージ3曲、リンゴ1曲となりました。なかなか良いんじゃないでしょうか。

 これをプレイリストにして聴いてみると、A面とB面で結構雰囲気が違ってメリハリが効きつつも、ラストのおかげ後味もスッキリしていて我ながら結構気に入りました。

 特にラスト三曲の終わり方が個人的にすごく気に入っています。こちらは「ホワイトアルバム聴きたいけど、時間的に全部聴き終わるから微妙だな」ってときに重宝しそうです。

 とはいってもやっぱり本家の満足度には到底及びませんね。やはりホワイトアルバムは2枚組だからこそホワイトアルバムなのだと再確認できました。

 プレイリストを共有するので是非聴いてみてください。