おはよう、こんにちは、こんばんは
くろです。

はい、夏の間に働きすぎてちょっと自分やばめです。
ちょこちょこ隙間時間で書いてはいたのですがなかなか進まずもう夏終わるよ?!
世間一般ではもう秋だよ?!って気候ですがお贈りします。

完結しないなぁ~って感じのフリージアのお話。



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10月31日 新しい朝




翌日、私は眠たい目を擦りながらお店を開けた。あくびを噛み殺しながら昨日のことを考える。
もう来ないと言ったカラハナさんや会えなかったレントンさん。それにベンニーアの妖精の話。レントンさんと瓜二つの不思議な青年とにぎやかな少年。考える事が多すぎてパンクしそうだ。
花に水をやりながらもう一度あくびを噛み殺す。
「花に水をやるときは少し上から、雨のようにあげてくれ。あと、そっちには水をやりすぎだ」
「きゃっ!」
あまりに突然の声に小さく声が出る。昨日からこの人は気配を消して近付くのが得意なのかしら?
「おはようございます。ハルジオンさん、ブルーリバー君」
驚きながらもあわてて挨拶をする。ブルーリバー君は元気に、ハルジオンさんは短く挨拶を返してくれる。二人を店内に案内し用意しておいたハーブティーを出す。
カボチャの種をブレンドしたほっとする一杯。
「わーい!すっごく寒かったんだ!!」
ブルーリバー君が心底というような顔でコップで手を温める。この地域の人でなければこの時期の朝は辛いところがある。
一方ハルジオンさんは何かを探すように店内を見回している。
「あの、何かありましたか?」
私が声をかけるとハルジオンさんは突然立ちあがり、レジの隣に立った。
「やっと、見つけた…」
そっと手を伸ばしたのは昨日カラハナさんからもらったヘリクリサム。
ハルジオンさんはそっと手にとり数瞬黙ると目をつむり、天を仰いだ。
声をかけるのをためらうほど美しく佇むその姿はなにかの調度品を思わせた。
「ハルー」
と、どこか間延びした声がかかりビクリと肩がすくむ。見惚れていた。
呼掛けに振り返らないハルジオンさんに、嬉しいようなさびしいようなそんな顔のブルーリバー君が諦めたように再び声をかける。
「見つかった?行くの?」
短く私にはわからない問いかけに静かにコクリとうなずく。
「フリージア、君に会えてよかった。これで俺は自分の後悔を取り戻せる。……ありがとう」
ハルジオンさんはこちらを見ながら一歩、出口に近づいた。
「ブルーリバー、お前は戻って本部に伝えろ。あいつは俺が連れ戻す」
強く言い切るとクルリと私たちに背中を向けた。
その背中にブルーリバー君が座ったまま小さく、心を込めて言う。
「ハル、ねぇハル。この名前に誓って……期待、してるからね」
ハルジオンさんは振り返りニコリと笑った。
「当たり前だろう。なんたって俺は世界一の……。いや、行ってくる」
どこか誇らしげに顔だけをこちらに向けたハルジオンさんはカラハナさんと似た笑顔を残して走って行ってしまった。
「息災を、ハルジオンさんの息災を祈っているわ……」
ぽつりとカラハナさんに向けた言葉と同じ言葉を伝える。
それを聞いたブルーリバー君は嬉しそうに静かにカップを傾けた。

「それじゃ僕は帰るね!」
そう言ってブルーリバー君が立ち上がったのはおやつの時間の少し前。
昨日配りきれなかったクッキーとクヌギのお茶で一足先にはしゃいだあとだった。
「フリージアのクッキー絶品だったよー。クヌギのお茶も初めてだったけどすごくほっこりする暖かい味だったね!旅のお供に連れて行きたいくらいだ」
テキパキと荷物をまとめると入り口に立ち、深々とお辞儀をした。
「フリージア、ハルの探し物を見つけてくれてありがとう。僕は君を生涯忘れない」
そう言うとブルーリバー君は頭を上げて清々しく笑った。
「名残惜しいけど、もう行くね!本当にありがとう!」
その後何度も振り返りながら手を振り続け、最後には走って行ってしまった。
少し寂しくなった店内を振り返り気合いを入れ直す。
新しい日が始まった。きっとレントンさんにとっても新しい日が始まったはずだ。
だからこそ、変わらない日常を私はレントンさんに用意した。
ピンクのバラに白いカスミ草。小さな勇気を添えて真っ赤なリボンで包み込む。
時刻は午後3時。きっと彼は来てくれる。

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やっと!やっと終わりが見えてきましたよ~。
ハルとブルーリバーを出せてとりあえず満足です。うむ。
やっぱりこれハルサイド書かないと満足できなくなってきたぞ。
とりあえず今日はここまで!
久しぶりのブログだったなぁ~。

ではではくろでした!
まったねー!!