おはよう、こんにちは、こんばんは
くろです。
 
ってことで続くよ。ジアとカルルクとカラハナさんのお話っ。
そう、書いてて思ったんだ。これカラハナさんが誰か説明しなきゃって。
その辺また完結したら書きます。
完結したら。今回も完結しなかった。
何日分続くかな~。ぽてぽて書いていきます。
 
 
これ書いてるとなんでかすっごくハルジオンが出てきて「おい俺も出せ」って言ってくるんですけどどうしましょう。
出てくる気なのか気になります。(自分が)
 
置いといて、とりあえずかいていきまーす。
二日目。
 
 
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10月30日。
おかしい。絶対に、おかしい。
私はお店の中を何度も行ったり来たりしていた。チラリと時計を見るが、時刻は変わらない。
「もう、4時になるのに……」
店の入り口から通りを見ると、学校から帰ってくる子ども達が駆け足で自宅へと向かっている。
その顔はどれもニコニコしていて、楽しそう。
服を着替えマントを付け、仮面をかぶりおかしを集めに行く準備をしているのだろう。
「やっぱりあれは、誘拐だったのかしら……」
一旦落ち着こうとレジで頬杖をついて考える。
昨日の水色のスカートの女性に抱えられていたレントンさん。無理やりのような気もしたわ。でも、うーん、わからない。
「ジアすっごい面白い顔してるけど、どうしたんだい?」
「はゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
頭上からのいきなりの声にすっとんきょうな声をあげてしまう。
「カラハナさん…」
声をかけたカラハナさんは私の声に驚いたみたいで、元々大きな目をさらに開いてこっちを見ていた。
「ごめんなさい、なんでもないの。えっと、いつものでいいですか?」
「あっえっと、今日はねぇ、……とりっくおあとりーと」
カラハナさんがもごもごといつもの饒舌が信じられないくらい小さい声で呟く。
トリック オア トリート。
子どもが呟く魔法の言葉。大人になった私たちが言っても仕方のない言葉だが、とっても微笑ましい。
私は少し笑ってレジの下から昨日用意したお菓子を差し出した。
「いつもお花を買ってくださる良い子のカラハナさんには、お菓子のプレゼント」
プーカの妖精を書いたアイシングクッキーと小さなお花の株を一つ。
それをジッと見てからカラハナさんは口をきゅっと結んで泣き出しそうな顔になってしまったけど、でもそれも一瞬でパッといつもの顔に戻った。
「ありがとう、ジア!それでジアはなんで百面相してたの?」
そうだった!誘拐だわ!!!
「レントンさんが来ないの!ゆ、誘拐かしら!?」
慌てる私にカラハナさんはまたきょとんとした顔で答えた。
「今日は10月30日だろう?煙突掃除屋さんはお休みじゃないのかい?」
言われてハタと気づいた。
この街の煙突掃除屋は年中働いているが、魔のハロウィン前日はベンニーアの妖精退治が夜中になるから、という名目で仕事がお休みになる。うっかり忘れていた。
えぇー!じゃぁレントンさんに会えないの?!寂しい!!
「ジア、また百面相してるよ?」
クツクツ笑いながら言われるが仕方がない。だって
「レントンさん用のおかし用意したのにぃ~!」
地団駄をふむ私の手元にはレントンさん仕様のラッピングをしたおかしの包み。
プーカの妖精の変わりにベンニーアの妖精を書き、煙突を模したクッキーを入れた。
一緒につける花はベゴニアを用意したし、渡す時の言葉はわたしの気持ちですっ!って渡すつもりだったのに!私の勇気よ、空回りだったわ。
「まぁまぁ、でも明日はまた挨拶周りに来てくれるんだろう?むしろハロウィン当日は明日だぜ?そっちのほうがいいだろ?」
そうだけど…。と、もごもご言う私を見ながらカラハナさんは少し笑って、それから一歩出口に後ずさる。
「ジア、今日はこれありがとう。僕、もうこれからずっと来れないから元気で過ごしてね」
「え?」
驚く私にちょっと困ったような顔で笑いながらまた一歩出口に近づく。
「逃げなきゃならないんだ。うんと遠くに。だから、お別れ」
泣いているようなそんな声でカラハナさんが言う。
私が声をかけられないでいるとまた一歩出口に近づく。
「ジアとの時間はすごく楽しかったし、美味しかった。君は俺の相方に似ているし、あのレントンって男も気味が悪いくらいにあいつに似ている。この街は僕にとっての想像の、理想の街だったんだと思うよ。ねぇ、ジア。今度は…幸せになってね!」
そう捲し立てるとカラハナさんは走っていってしまった。
「カラハナさん!?」
慌てて追いかけるがもう姿は見えなかった。変わりに同じ花ばかりを包んだ花束が店先に置かれていた。
「ヘリクリサムばっかり…。花言葉は確か、永遠の思い出?」
なんだろう、私に渡した花束じゃない気がする。
泣き出しそうな笑顔の裏に誰かを思い浮かべていた。
なんだかモヤモヤする。だから大きな声で、遠くにいるカラハナさんに届くくらい大きな声で叫んだ。
「お元気で!あなたの息災を祈っているわ!!」
届いたかはわからないが、届いていることを祈って花束を抱き締める。
大切に花瓶に活けて、レジの横に置いておく。
少し寂しげに咲く花は一輪噛られたように欠けていた。
 
 
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ってことで二日目終了。
進展しないような、しているような。
フリージアさんはやっぱり書いてて楽しいのかもしれない。
ベスだったらこんな感じか~。とか、いやべすだったらこうなるんじゃないか。とか
あと登場してないけど他の人も出したいんだよなぁぁぁ。
しろもね、ラストには絡ませたいんです。
 
誰を出したいんでしょう。
この暗かったダーティボーイの世界に華をもたらしてくれる人たちだと言いたい。
 
 
さた、文字ばっかりになりましたが今日はここまで。
またしばらくお付き合いください。
 
 
くろでした!
まったねー!!