其の二十 【横浜パルコ】
≪心の中の声≫としてご覧下さい。
「仕事っていっても、何もすることないんですよ~(笑)」
そう言って、視線をパソコンの画面にやるパルコの目は、
常に【チャットルーム】の安全を監視する【プロの管理人】の目だ。
ただチャットに参加したいだけかもしれないけど。
しかし、こっちも【ブログネタ】の為には引いていられない。
「黒戌さんはパソコン得意ですか?」と、画面から目を逸らさずにパルコが聞いてきた。
『いや、全然』
しまった!嘘でも良いから話を広げればよかった。
ハッカーレベルです、位で言っておけばよかった。バカ、俺!
「へ~、凄いですね~。ホームページとか作れます~?」と、チャット画面を見つめるパルコは俺の話なんて全然聞いてない。
≪得意じゃな・・・≫
チャットルームでも、10人くらいの奴らが
「パルコ遅いね~」
「早く帰ってこないかな~」
「どこまで行っちゃったのかな?」とか言い出す始末。
大丈夫。
君たちのパルコは一歩も動かず、君たちを見守っているよ。
俺との会話は上の空でね!
「ガチャ」事務所のドアが開き、社長が缶コーヒーを持って入ってきた。
「二人とも一服してよ」と言って缶コーヒーを渡し、作業に戻る社長。
「良かった~。のど乾いてたんですよ♪休憩しましょう黒戌さん。」と言ってソファーに座るパルコ。
≪休憩してたじゃん≫
「仕事が少ないから、ホームページとか作ろうと思うんですよ♪」
『へ~、凄いなぁ。社長も喜ぶんじゃない』と言うと。
「いや、会社のじゃなくて【パルコ】のホームページを作るんです!」とか言っちゃってる。
「名前は【横浜パルコ】にしようと思ってるんですよ!」と、パルコは鼻息が荒くなってきてる。
パソコンのことなんてその辺の小学生より知らない俺には、ホームページ作成の話しなんて出来る訳が無い。
話しを何とか別のものに変えようとするが、パルコは本気(マジ)だ。
「会社でホームページとか作れたら楽しくないですか!?」とか、
「仕事がないのに時間がもったいない!」と、声を荒立てて興奮するパルコ。
俺に熱弁されても何にもならないのに。
『まぁ頑張って作ってみればいいんじゃない?』と言うと
「作り方がわからないです~」とタラちゃんのしゃべり方で答えるパルコは【天然娘】確定だ。
「さぁ~そろそろチャットに戻らないと」と言って机に戻るパルコに、
『じゃぁこれかららも宜しくお願いします』と言って事務所を出た。
「どう黒戌くん。良い子だったでしょ?」と社長に言われたので、
『ええ♪いい素材見つけましたね。社長。』と言うとご満悦だった。
≪良い素材(ブログネタ)見つけましたね。社長。≫
其の十きゅう 【パルコ】
≪心の中の声≫としてご覧下さい。
年が明けて、最初に宮本の会社に行ったときのこと。
この会社は全部で8人の男性社員で構成されているのだが、
なんと女性の新入社員が入ったと言うではないか。
その女性は23歳だかで短大卒。主にパソコンの打ち込みと電話番として採用されたらしい。
社長にそう言われて、事務所にいるから挨拶してきてよ。とのことだった。
事務所のドアを開けると新入社員発見。
何やら鬼の形相でパソコンを光速で打ち込んでいる。
『こんにちは』
「あっ、こんにちは。お世話になってます」
うんうん♪これは良い新人が入りましたね、社長。
今まで埃を被っていた無駄に高そうなパソコンが、火花を上げんばかりに活動している。
俺が挨拶をしても彼女の指は止まらない。
「カツカツカツカツ、ピッ、カツカツカツカツ・・・・。」
これは仕事を邪魔しちゃいけないと思ったが、何気なく
『入ったばかりで忙しそうですね~』ってパソコンの画面を見ると、
【チャット】やってた。
ん?あれ?
何かね、【パルコ】ってニックネームで他の人たちとすっごい盛り上がってんの。
パルコ「ちょっ、ソレうけるwwww」みたいなこと書いちゃってんの。
パルコのキャラの頭には【かんむり】乗っちゃってて、どうやら管理人になっているようだ。
俺が画面を見ちゃったのに気づいても彼女は慌てない。
パルコ「ゴメンwちょっと休憩w」みたいなコメント書いてる。
≪こっち(仕事)が休憩かい≫
それにつられて、周りのやつらも「イッテラ^^」みたいなこと書いちゃってるけど、
【パルコ】は俺の前から動かない。一体どこに行くっつうんだ。
『どうも黒戌といいます』
「お世話になってます。春×××子と言います。みんなにはパルコって呼ばれてます♪」
≪天然めっけた≫
注:新入社員【パルコ】の続きを近日更新。
【おまけ】
宮本の【一問一答】で失礼な質問が一つ残ってたのでど~ぞ。
黒戌『リンゴを英語にしたスペル(もちろん説明しました)ってわかります?」
宮本「わかるよ~(笑)。え~っと、エル・・・エー・・・エム?・・・ビ・・・オー・・・?」
≪LAMBO。ラムボ?サクランボ?≫