リストランテで待ってる・3 | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

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「お見苦しい所をお見せしまして、すみません。」

 

蓮の姿を見た途端、捨て台詞を吐いて”ショーちゃん”とやらが去った後、蓮とキョーコは近くのカフェに入った。

注文をそれぞれした後、キョーコは蓮に向かって頭を下げた。

 

「いや、それはいいんだけど、彼は?」

 

「ショ・・・・彼は不破松太郎と言って、私の幼馴染なんです。」

 

そうして、キョーコは松太郎の事をぽつりぽつりと話し始めた。

 

不破松太郎は日本でも有数の老舗旅館のただ一人の跡取り息子なのだが、目立ちたがりの松太郎は、子供の頃から家業を毛嫌いしていた。

そして、高校卒業後の進路が何も決まっていなかった松太郎は、家を飛び出すように大学進学のために上京するキョーコに付いて東京にやって来たのだ。

上京して以降、松太郎は大学や専門学校に行くわけでもく、ましてやボンボンで育った彼の頭の中には、《働く》と言う概念が全くないので、日がな一日遊びほうけて暮らしてるらしい。

『らしい』と言うのは、松太郎は東京で知り合った女性の下に転がり込み、時折、キョーコの前に現れては今日のようにお金の無心をしていく以外、キョーコは松太郎の事を知りようがないからだ。

 

ここまで話すと、キョーコは乾いた喉を潤すために、カプチーノを一口飲んだ。

と同時に、(どうして、こんな事まで口に出してるの?私!!)と愕然とした。

今まで誰にも話した事の無かった松太郎の話を、まだまだ知り合い程度の相手に話してる自分自身にキョーコは驚いた。

 

そして、蓮の口からもっとキョーコが驚く様な言葉が飛び出して、キョーコは戸惑いを隠せなかった。

 

「じゃぁ、俺と交際している事にしませんか?」

 

「え?」

 

大きな目をさらにまん丸くしてキョーコは訊き返した。

 

(ちょ・・・・っ!!これじゃ、仕事中彼女を口説いてる貴島や村雨とたいして変わらないじゃないか!!)

 

一番驚いたのは、その言葉を口にした蓮自身である。

 

「い・・・や・・・ごめん!今のは言葉のあやで・・・・・」

 

でも、彼女にとって今の状態をいつまでも続ける訳には行かないだろう。

 

「そ・・・の。彼の目が気になってね。また、最上さんの前に現れるんじゃないかと思うんだ。」

 

その蓮の言葉に、キョーコも頷いた。

 

「彼は自分自身の体面を気にするあまり、最上さん以外の人間相手には何事も強く出る事が出来ない性格だと思うんだけど・・・・」

 

全くその通りなので、キョーコは頷いた。

 

「だったら、第三者の俺が最上さんの側に居る方が、何かと牽制出来ると思うんだけど、どうかな?」

 

キョーコにとったら願ってもない話である。

 

「あの・・・むしろ嬉しいお話ですけど、それだと敦賀さんのご迷惑になりませんか?」

 

おずおずと訊き返すキョーコに、蓮は笑みを浮かべて否定した。

 

「全然?俺で最上さんの役に立つなら本望だよ。」

 

しばし躊躇した後、キョーコは蓮に向かって頭を下げた。

 

「ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。」

 

「うん。こちらこそ、よろしく。」

 

そうして二人は、恋人同士以上に恋人らしく見えるように打ち合わせを始めたのだった。

 

《つづく》

松太郎の説明だけで一話丸々使っちまったぜよ。

今回も三話で終わらせるつもりだったのに終わらなかった"(>0<)"

という事で、急遽、ナンバリングに変更いたしました・・・・・

ギブ ミー 纏める力、誰かクレクレ。