キスは秘めやかに・3 ~碧樹様からのリクエスト~ | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

拙宅のアメンバー様100名到達記念に募集したリクのお話です。

 

今回は碧樹様のリクと本誌付録の2017年カレンダー妄想との合わせ技です。

 

 

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キョーのの目の前に現れた蓮は、濃紺の縞模様の浴衣をサラリと着流していた。

そして、またそれが蓮の引き締まった体躯と顔を一際引きだたせていた。

 

いつにもまして格好の良さが倍増どころか百倍ぐらいに見えて、蓮にほのかな恋心を寄せているキョーコは蓮を直視することが出来ないでいた。

そんなキョーコの耳に、蓮の艶やかな声が届いた。

 

「京子ちゃん、こんばんは。浴衣姿すごく似合ってるね。」

 

(ちょ・・・っ!浴衣姿だけでも心臓が破裂しそうなほどドキドキしているのに、敦賀さんに芸名だけど名前を呼ばれる事がこんなにも破壊力があるなんて!!)

 

そんな内心を何とか無理やり立て直すと、キョーコはいつも通りに挨拶をした。

 

「こんばんは、敦賀さん。敦賀さんの方こそ、とても浴衣がお似合いです。」

 

「そう?」

 

そんな二人のやり取りをプロデューサーと一緒にカメラで見ていた社は、驚愕の声を上げそうになるのをなんとか辛うじて堪えた。

 

(えええええ?今日の蓮の相手って、キョーコちゃんだったのか。)

 

相手が分かり次第、夏祭りなんてチョイスした相手の事務所に抗議の電話を入れるつもりだった社は心底驚いた。

 

(お~い、蓮!!気持ちは分かるがカメラを通していても分かるほど顔が緩みっぱなしだぞ。)

 

カメラに映っている蓮は見事に神々スマイルを浮かべ、キョーコを愛おしそうに見つめている。

 

「じゃあ、行こうか京子ちゃん。」

 

差し出された手を戸惑い気味にキョーコが見ると、蓮は続けて言った。

 

「これだけ人が多いと、はぐれた時に困るだろう?それとも、迷子になって呼び出しの放送を掛けられたいの?京子ちゃん。」

 

「ちょっ!!酷いです!!敦賀さんと手なんか繋いだ日には、全国の敦賀さんのファンから恨まれますよ、私。」

 

「大丈夫だって、ほら。」

 

手を引っ込める気のない蓮は尚もキョーコに向けて手を差し出したままでいる。

いつまでも鳥居の側に突っ立ていては人の行き来の邪魔になるし、何より仕事にならない。

意を決してキョーコは蓮の手に自分の手を乗せると、蓮はギュッとキョの手を握り、所謂カップル繋ぎにした。

 

蓮とこうやって手を繋いで歩くのなんて、ヒール兄妹を演っていた以来でなんとなくこそばゆかった。

二人は拝殿で無事に参拝し終わると、屋台を冷やかすために元来た参道を引き返した。

 

《つづく》

 

短いですが、今回はこのへんで。

全国各地で雪の影響が出てますが、大丈夫でしょうか?

私の住んでいる所は雪は降りませんでしたが、その代わり台風並みの風が吹いて、ちょいっと怖かったです。