最上ですが?・1 | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

| 壁 |д・)お久し振りでございます。

連日のあまりの暑さに書く気力を根こそぎ奪われ、ここの所ずっとブログネタで凌いで来たくりくりです。

ようやくキョーコさんサイドが1話だけ出来上がりましたのでUPします。


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最上キョーコ。高校2年生。

可愛くて素直で明るく前向きな彼女は、周囲の人間から好感を持たれやすい。
成績も優秀で、常に学年で10位に入っている。
しかも高校生ながら家事は万能で、特に料理は玄人はだしで、手際の良さはもちろんの事、包丁捌きに至ってはプロの料理人も顔真っ青な腕前である。

そんな彼女の唯一にして最大の欠点は、恋愛方面に関しては恐ろしく鈍く、“だめんず”を引き寄せてしまう体質である。

もっとも、こればかりは彼女だけを責められない。
と言うのも、キョーコは幼い頃から家庭の事情で、1年の大半を幼馴染みの不破松太郎の家に預けられて育ったのである。
無意識のうちに幼いキョーコは、松太郎の両親の気に入る様な言動をしないと、自分の居場所がなくなると思い込んでしまったのだ。

結果、キョーコは子供の頃から松太郎両親が経営している老舗旅館の手伝いをする一方で、 不破家の一人息子である松太郎のご機嫌を取ろうとしていたのだが、幼いキョーコにその自覚がある訳がなく、自分は松太郎の事が好きなんだと思い込んでいた。

そして、松太郎はこれ幸いとキョーコを散々利用していた。


そんなキョーコにとって、高校入学は大きな転機となる。

これまでの思い込みを覆すような出来事と人物たちに出会う事になる。

まずは高校の入学式で同じクラスになった琴南奏江。

キョーコ自身上手く説明がつかないが、なぜか奏江に強烈に惹かれたのである。

どうしても友達になりたかったキョーコは、迷惑そうな奏江の表情も何のその。プッシュにプッシュを重ねて見事、友人の座を射止めたのである。

幼馴染のせいでこれまで友人の一人もいないどころか、ずっと苛められていたキョーコにとって生涯の付き合いとなる友人との出会いである。


奏江は演技することに興味があるらしく、入学早々演劇部に入部を決めていた。

クラブ活動をどうするか迷っていたキョーコは、奏江と一緒に演劇部の見学をした際に、舞台上で生き生きと役になりきっている生徒たちを見て俄然興味がわいて来た。

が、松太郎の家の手伝いが疎かになる事を恐れたキョーコは、その場で入部する事を決められなかった。


悩んで悩んで悩み抜いた結果、思い切ってクラブ活動をしたい事を松太郎の両親に相談した。

しかし、松太郎の両親の反応は拍子抜けするものであった。


「クラブ活動?ええよ。今までかて、キョーコちゃんの事やさかい、やりたい事があってもずいぶん我慢して来たんやろ?キョーコちゃんが聞きわけが良いのを良い事に、キョーコちゃんに甘え過ぎてたうちらに責任あるんやけどな。堪忍やで、キョーコちゃん。旅館の手伝いは構へんさかい、キョーコちゃんのやりたい事を最優先してええんよ。」


「松太郎のお守りも押し付けてしまってたしな。わし等は、それも重ねて謝らなあかん。すまんかった、キョーコちゃん。」


松太郎の両親からの思いがけない言葉に、キョーコは泣きそうになった。


《つづく》


ちおりんに続いて、キョーコさんも出だしが難産でした。書いては消し書いては消しの連続で、本気でキョーコさんの話をスルーしようかと思いました(;^_^A