Shall Idance? 前編 ~ケ・セラセラ番外編~  | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

「今度、ボスの家であるパーティで、キョーコのお披露目しましょう?」


キョーコが敦賀家に引き取られて約1ヵ月後。夕食後の敦賀家のリビングにウキウキしているジュリの声が響いた。


キョーコが敦賀家に引っ越したのと同時に、蓮もLMEを辞め、家業を継ぐべく実家に戻っていた。

その為、出向という形を取っていた社も雑貨屋を辞め、LME本社に戻っていた。

因みに二人が辞める前に、雑貨屋LMEは人員を募集し新たな店員を入れ、石橋光が店長として、店の采配を振るっていた。


「「え?」」

蓮に勉強を見てもらっていたキョーコはその突然の提案に驚き、自主的にキョーコの家庭教師を買って出ている蓮は、ジュリの暴走に呆れながらも内心ガッツポーズを決めていた。


「ああ、それはいいな、ジュリ。やはり、君はこの世で一番素晴らしい。」動じていないのは、敦賀家の大黒柱の周平だけである。


「ボスのパーティに招待される人たちなら人柄に間違いはないしな。キョーコと引き合わせても問題ないだろう。」と周平は頷いている。


「でしょう?そうと決まれば、キョーコのドレスを決めなくっちゃ♪折角の社交界デビューですもの。どんなのがいいかしら~♪」


「そうだなあ、ドレスも捨てがたいけど、キョーコは姿勢も綺麗だから着物も似合うと思うぞ。」


「あ・・・・あの、おじ様、おばさま?」キョーコが恐る恐る問いかけると、ジュリに涙ながらに訴えられた。


「おば様なんて他人行儀な呼び方しちゃイヤ。私のことは、ママ、もしくはジュリママって呼んでね。でないと、余命あと3秒なんだから♡」


(他人行儀って…他人なんですが…)内心でキョーコが突っ込みまくっていると、周平にも同じ事を言い出した。


「私はキョーコの事を、実の娘同様に思っているからな。呼び方なんてどうでもいい・・・・が。出来たら、私の事もパパって呼んでもらえると嬉しいな。」にこやかな顔で、とんでもない要求をした。


「え・・・・・っとジュリ・・・・マ・・・・マとパ・・・・・パ?」言い慣れない言葉にキョーコは真っ赤になりながらつっかえつっかえ言ったのだが、どうやらその様子が周平とジュリを直撃したらしい。


(か・・・・可愛い!!パーティでは、未来の蓮の嫁として紹介して自慢しまくるぞ(わ))


「えっと、ドレスって、そんな悪いです。引き取ってもらった上に、高い学費も出してもらってるのに・・・」

おずおずとキョーコは遠慮したのだが、暴走のスイッチが入ってる状態のジュリには何を言っても通じなかった。


「フフフフ。それは気にしなくてもいいのよ。それよりも綺麗にドレスアップして、社交界デビューしましょうね♪今の学校では、社交ダンスの授業があるんでしょう?私ね、娘とパーティに出るのが夢だったのよ~♪」


キョーコは、敦賀家に引き取られてから、周平たちと何度も話し合った結果、周平のツテを使い京都府内でも屈指のお嬢様学校に転校したのだ。


最初こそ、奏江たちと学校が離れ離れになるのを不安がっていたキョーコだが、キョーコの背中を押したのは他でもない奏江と千織だった。


《別に、学校が離れたぐらいで私たちの友情がこれっきりになる訳じゃないでしょ。それよりも、この先もあのバカにアンタが良いように扱われる方が我慢ならないわ。》


その奏江の一言で、キョーコの心は決まったのだ。


とは言え、キョーコは越境通学で、別の公立の中学に通うつもりでいたのだ。

しかし、それぐらいでは再びショータローが良からぬことをしでかしそうだと、周平達に説得され、セキュリティも万全なうえに通学の送り迎えが当たり前な今の学校に通うことになったのだ。


不安もあったけれど直ぐに慣れ、百瀬逸美と大原愛理と言う仲の良い友人が出来、キョーコは楽しく学校に通っている。


今通っている学校は、ただのお嬢様学校だけではなく、日本でもトップクラスの進学校のため、公立とは比べ物にならない位勉強の進み具合も早かった。

そのため、家では蓮がキョーコの勉強を見ているのだ。


ただ、蓮としては二人っきりの部屋でやりたかったのだが、そんな蓮の下心なんぞ、お見通しの周平とジュリによって阻止されたのだ。


曰く、「年頃の男女が二人っきりで同じ部屋にいて、何か間違いが起こってからでは遅すぎるだろう。蓮、分かってるだろうな。キョーコの勉強を見るのはいいことだが、私やジュリのいる前だけにしなさい。」


その周平の言葉に、盛大に舌打ちをしながらも従うほかなかった。


キョーコ方はと言えば、もともと頭も良い上に進学塾にも通っていたので、蓮に少し教えて貰うだけで授業には何なくついて行けていた。


ついて行けなかったのは、社交ダンスを始めとする上流階級におけるマナーだけである。



「で・・・でも、あまり上手に踊れなくて・・・・」ぼそぼそとキョーコが呟くのを蓮が聞き逃すはずもなかった。


「だったら、家でも練習しようか?あと、パーティの時のマナーも。」


「え?だ・・・だって、ただでさえ、れ・・・蓮お兄ちゃんには仕事で疲れてるのに、勉強を見てもらってるのに、そこまでしてもらったら・・」

悪いと続けようとしたキョーコの言葉を、極上の笑み付きで蓮が遮った。


「大丈夫だから。無理だったら、俺も引き受けないし。ね?」


と言われてしまえば、キョーコも頷くしかなかった。


「じゃあ、そうと決まれば早速ワルツの練習からしてみようか。」とサクサク決められていってしまった。




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《つづく》


ケ・セラセラの番外編、1話で終わるつもりだったのに終わらなかった(>_<)


次のお話で終わる!!はず・・・です。多分・・・・。


上流階級の世界って、どんな感じなんでしょうね。一般庶民の私には想像もつきません。

取り敢えず、でっち上げでございますf^_^;