第2号 令和6年6月29日

                栗原光弘 

 

物事を行うのに目標設定はとても大切な事で、どの学校にも「教育方針」と「学校目標」が立てられています。「やる気」を引き出すためには、的確な目標を立てることが必要です。 

                            

先生や親、友達から「あなたはやる気がありますか?」などと言われた経験はあると思います。今回は「やる気」について、お話しをさせて頂きます。先日、菅高校で教育相談コーディネーターの研修会があり、講師の和井田先生が「やる気」についてのアトキンソンの「期待価値理論」を紹介されていました。この心理学実験は、小学生達を集め、輪投げをさせるというものでした。輪投げをする前に、確実に成功すると思う距離と確実に失敗すると思う距離を言わせ、その後で、彼らに好きな位置で輪投げをさせてみると、一番多く選ばれた距離は、二つの位置の中間で、成功確率50%の場所でした。

 

この結果からアトキンスは、

やる気の強さ = 達成動機主観的な成功確率よる課題の魅力×成功報酬     という方程式を立てます。分かりやすく言うと、

成功確率50%の目標を立てることが一番「やる気」

を引き出すと言うのです。つまり目標は簡単すぎても

難しすぎてもいけないのです。適切な難しさを感じる方が

やる気が高まるのです。

 

 

考え方で結果が変わるというお話しを致しましょう。

9回裏、2アウト走者満塁、投手が「絶対に抑えて

やる。」と考えるか、「点をとられないようにしよう。」と考えるかで、結果が変わるとも言われています。前者をポジティブな「接近行動づけ」と言い、後者をネガティブな「回避行動づけ」と言います。接近動機づけで失敗しても、後悔が残らない事が多く、反対に回避動機づけでは、成功しても満足度が低いという心理実験結果が出ています。

適切な目標を立て、「やるぞ、できるぞ。」と考え、行動することが、大切なのです。

 

こんな事でカウンセリングを受けても良いのだろうかと考えないで、気軽に相談室に来てみてください。未来の目標を明確にするために、共に考えていきましょう。担任や保健室の先生、教育相談コーディネーターの先生を通して、申し込んでください。