風花 鶴屋吉信さん

 

冬の日は短くなるばかりで、

年の瀬も近づいてきます。

底冷えはしますが、曇り日の静かなひととき、

音もなく風に乗って、

ちらほらと雪片が舞い落ちてきます。

そしていつもとはなしに止んでみたりもします。

こうした雪を古くは巧みに「風花」と呼んでは慈しみ、

日常生活に自然を愛して美を味わう心を育ててきました。

 

雪は六つの花とも言われるように、花にみたてます。

湯気のあがる温かいものが喜ばれる蒸菓子です。