おもたせの和菓子の中から、もう一品。

夕立(ゆうだち)   水晶羹製

 

夏の夕方、明るい空が急に曇って暗くなり、

にわかに降り出す大粒の雨、轟く雷鳴。

道行く人は慌てふためき、

家々では洗濯物を取り込みに走ります。

 

そうこうしている内に明るくなり、

さっと晴れ間から日差しが差し込みます。

そして再び蝉の声が聞こえ、街のざわめきも戻り、

あとには一陣の涼風がもたらされる…。

 

こういった夏の情景を、抽象的に表しています。

 

黄色い方はきな粉風味で、

夏の疲れを取ってもらうためなのか、あえて甘くしてあります。

水晶羹は口当たりが良く、

葛を使っていますが、

冷やしても硬くならないので舌触りが優しく感じます。