私には名前はない。否、厳密に述べるならばないというよりも剥奪されたというのが事実である。
名も知れぬ少年の奇跡~After the 10o'clock~
俺は市内の某中学校に通う自分で言うのもなんだが極普通の男子中学生だ。日々目立ったイベントもなく部活にも没頭してないせいもあってかついたあだ名が帰宅部キラー。すれ違う人々はまるで汚物を見るかのように俺をチラチラと見ては視線をずらしてゆく。そんな毎日が半年程続いたある日、いつも通り通学路を黙々と歩んでいた時だった。少女。……………いや、少女…?何故少女が?何故ウエディングドレス姿?何故左手には物干し竿?何故大通りの真ん中で正座をしている?
疑問というより戸惑いが深間っていくばかりだ。
続く。