障害者権利条約を生かす取り組み | 鞍手ゆたか福祉会スタッフブログ

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鞍手ゆたか福祉会は、福岡県鞍手町を拠点に、直方市、宮若市、行橋市、北九州市、福岡市、宇美町、長崎県大村市、
東京都新宿区で障碍者や高齢者の支援を行っている社会福祉法人です。

久しぶりにブログを書きます。

私の知り合いに、筋ジスの大学生(1年生)がいます。(かつての教え子です。)

彼は電動車いすで、一人通学をしています。

大学の最寄り駅には、エレベーターがないために、エレベーターのある一つ手前の駅で降りて、そこから通っています。

大学の中では、移動や食事、排泄、学習面などで、不便なことが山ほどあります。雨の日には合羽を着て登校します。合羽を脱いだり着たり、誰かの手を借りなければなりません。彼の偉いところは、駅では、駅員さんに声をかけて手伝ってもらったり、大学では、警備員さんに声をかけたり、たくましさを感じます。

しかし、入学当初、大学側から安全面(大学の説明では危機管理と言っていました)で、保護者の同行を求められました。

毎日、母親が付き添うことは想定外でしたが、仕方なく付き添いが続きました。

青年期の一人の学生として、母親の付き添いには抵抗感もあり、また、母親も疲れ切ってしまい、理不尽な思いで一杯でした。

大学では、友達もでき、学習面でのサポートは、ほとんど友人が行ってくれるようになりました。

(週2回)ヘルパーに入ってもらうなど、いろいろ手を尽くして母親の同行なしで、何とか学生生活を送ることができるための準備をすすめながら、大学側との話し合いをもちました。結果として7月には、母親の同行は解除になりました。

この間の動きの中で、「障害者差別解消法」が来年から施行されることになり、大学での「合理的配慮」の義務化に向けた準備が進んでいます(私立は努力義務)。11月には、国公立大学のガイドラインができるようです。障害者への「合理的配慮」を進めるために、この大学にも6月から「障害等学生支援室」が立ち上がり、相談支援員が配置されました。担当は一人ですが、担当者がいることで、彼の抱える悩みや困難を解決する糸口が開けました。大学側との話し合いも、大きく前進することになりました。

まだまだ、課題はたくさんありますが、障害者権利条約が生かされる場面を実感しました。また、「合理的配慮」を進めるためには、障害当事者が黙っていては、前に進まないことも実感しています。

いま、彼らと障害者権利条約の学習会など定例化して、一緒に勉強しています。障害者自身が、自分の権利を主張することができる。そのことはとても素晴らしいことです。そして、障害者の権利を語ることが、みんなの幸せになるという実感にどうつなげていくのか、とか。財政問題は、とか。どうすれば伝わるのか、とか。悩みながら、解決しないといけない問題も山積みです。そんなことが、障害者自身の口から語れることを頼もしく思っています。

障害者権利条約が生かされる、生かす取り組みに、興味津津の カレッジ早稲田 栗林でした。





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