こんにちは。日本肌育学会の山本です。
仕事柄、化粧品の成分は気になってよく調べるのですが、日差しが強くなってくると必ず目立ちはじめるのが“美白”の文字
美白化粧品って、医薬部外品のことが多いですよね。
なんか秘密でもあるのでしょうか
まずは、美白剤について。
美白効果(美白剤)と保湿効果(保湿剤)があれば医薬部外品として許可されます
たとえば、乳液やクリームは、水と油を合成界面活性剤(乳化剤)で混ぜて白濁させ、酸化や腐敗しないように酸化防止剤か防腐剤(またはその両方)を添加したものです。
ちょっと式にしてみますと・・・
水+油+乳化剤(合成界面活性剤)+酸化防止剤=乳液、クリーム
ビタミンCまたはその誘導体はしばしば酸化防止剤に使われていますので、このビタミンCを使って次のように書き直すことができます。
水+油+合成界面活性剤(乳化剤)+ビタミンC(酸化防止剤)=美白乳液、美白クリーム
↑ ↑ ↑
(浸透剤) (美白剤) (医薬部外品)
つまり、酸化防止剤としてビタミンCを使っていれば、普通のクリームが美白クリームになるのです。
えっ 基本的には一緒ってこと
中味は同じものなのですが、
医薬部外品として登録なら、美白作用を宣伝して良い
化粧品としての登録なら、安全な酸化防止剤だと説明
ということになるのです。なんだか同じものなのに、医薬部外品なら効きそうって印象持ちますね。
美白、美白とむきになっている人が多いのですが、「メラニンが実は皮膚ガンを防いでいる 」という見方もあります。
紫外線を受けるとチロシナーゼという酸化酵素が働いてメラニンの顆粒を合成し始めます。人の体は無駄なことを一つもしませんね。つくづくそう思います。
春になり紫外線が増え始めると、徐々にメラニンも増え始め、夏になれば皮膚も褐色になり、メラニンを含んだ表皮細胞の膜で覆われます。メラニンは紫外線を吸収し、紫外線が皮膚の中で毒物を作らないように防ぐ働きをしています。メラニンは無毒で安全、非常に効率のいい紫外線吸収剤なのです。
紫外線は化学線ともいい、化学活性の強い電磁波(β紫外線は特に強い)です。
皮内では、この活性のためにいつ発ガン物質が生じないともかぎりません。
そこで、メラニンを分布して紫外線を吸収してしまうのが、メラニンの大きな役目です。欧米人に比べて、私たち黄色人種は皮膚ガンになりにくいと言われる由縁ですね。
しかし、市販の美白化粧品のほとんどが、メラニンを悪者扱いして、破壊しかつメラニンの合成を阻害することによって白い肌を手に入れようとするものです。
メラニンを壊したら、いつ皮膚ガンにならないとも限らない
美白は皮膚の健康上も非常に危険な行為なのです
もともと体に備わっている力を見つめ直してみましょ
晩秋から冬になると紫外線が減るので、メラニンの量も減少して白い皮膚に戻ります。
皮膚の健康はメラニンという紫外線吸収剤を用いて維持されているわけです
「昼はUVカット、夜は美白」などといって24時間化粧品を使わせようとします。
が、
問題点あり~~~
1つめの問題はメラニンという安全な紫外線吸収剤を壊して(何度も言いますが、美白とはメラニンを破壊する行為です )わざわざ毒性のある紫外線吸収剤を塗らなければならないという問題。
2つめの問題はメラニンは皮膚の内側に分布しているのですから、これを壊す美白剤も皮膚に浸透させなければならないということです。
これは、バリアの破壊で皮膚は寿命を縮めていくことにつながります。
何度もしつこいようですが・・・
もともと体に備わっている力を見直しましょう♪
体の持つしくみに無駄なものは、ひとつもありません。
メラニンは決して悪者ではないのです。
美白の洗脳の殻をパリーンと割っちゃいましょう♪
その一歩が5年後、10年後のあなたの肌を守り、育てます