さらに続きピンク薔薇



ある時、私は過去世の記憶を
思い出した 
それはふいに、でも
とめどなくやってきた




きっと、彼と最も濃厚に
関わった時期のこと
その時の記憶と約束が
溢れ出した




私は身分の高い姫で
彼は使用人で姫を乗せる馬を引いてた






私は歴史に疎いので
いつの時代かとかまで
わからないのだけど…






姫には決められた結婚相手がいて 
それは政略結婚だった





それでも姫と彼は深く愛し合ってしまって
どうしても政略結婚が嫌で
2人は駆け落ちしてしまう

 



どこまでも2人で逃げて
静かに暮らそう




そんなこと、できる訳がないのに
一瞬の夢をみた
果てしなく無謀で幼い決断だった




2人で馬に乗って夜に逃げる場面
あの時の幸福感を私は
はっきり覚えてる




そして、あの感覚を
今世で、ここで、また感じたいだけ
なんだなあって。





でも、追手に追い詰められた2人は
捕まってしまうよりは、と
海に身投げする




2人で死ねたらいいと思ってた




でも、姫だけ助け出されてしまい
彼は亡くなってしまった 




悲嘆に暮れ、
私も彼の元に行く、
死ぬ、と半狂乱になる姫に、姫の兄は





「今お前が死んでも、あの世で一緒に
 なれるわけではない。
 生まれ変わったら一緒になれるように  
 してあげるから、今世の生を全うしなさい」




と諭す




「来世なんて嫌だ
 それに、来世で会えるわけなんてない」




と、泣きわめく姫に 
兄は言った




「神様のいるところに生まれ変わって
 きなさい。
 そしたら必ず会わせてあげるから」




姫は兄の言葉を信じて
生きることを決める
姫は尼になり、
民衆に尽くす人生を全うした





これが
私が思い出した自分の過去世





「神様のいる場所に生まれておいで」
は、伊勢のことだった
日本の神様の最高峰
天照大御神がいるところ




だから私は
この伊勢の地を選んで生まれてきて
ちゃんと、この場所で
彼に出逢った





潜在意識はちゃんと覚えてた 
出逢ったばかりの時はわからなかった
でも、ちゃんと思い出したよ  
ちゃんと、会えたね!!





この話を思い出してから
1度彼に会ったことがあって…





その時に、
頭おかしいんじゃない?って
言われるのを覚悟して、





信じてもらえないだろうと思いつつ
躊躇しつつ
この過去世の話をしたことがある





そしたら、はじめは
何も言わずに聞いてた彼は





「俺は使用人か 笑」
って言ったあと
「馬に乗ってなかった?」とか




姫の話をしてる途中に
「それで尼になったんだろ?」
とか言ってきて…




なんで知ってるの????
って感じだった





なんだ、知ってるのか、この人は
やっぱりそうなのか、
そう、深く思った





そして、だからなんだなあ
今の彼の軽はずみなことをしない慎重さは





同じ過ちを繰り返さないように
今世では絶対に幸せになれるように
時間をかけてでも、
慎重になってるんだなあ、
そう思った





だから、そんなふうな
性格で生まれてきたんだね





勢いだけでは超えられないのを
知ってるから
それを過去で学んだから
今度は失敗しないように
 




タイミングが来たときに
動けるように




 
でもそれは今じゃない
その時を待ってる
その時を





ちゃんと迎えにいくから
大丈夫
そんな、声にならない声を聞いた気がした











過去世で刻まれた傷や
その想い、
どうしても叶えると誓った願いは
残酷なほどに、鮮明で





3次元で私ができることなんて
せめて毎日を気分よく過ごすことぐらいだ






そう、本当にできることは
それだけだと
それでも、この身体で
この場所で、彼に出逢うと決めてきた





出逢う事が叶ったのなら
あとは、一緒になる時を
あの声を聞く時を
あの腕に触れるのを
ただ子供みたいに楽しみにするのみ





幾千の年月を超えて
やっと会えてよかったね❤
ちゃんと会えたよ





その年月に比べたら
今会えない数年なんて
瞬きみたいなものだね





続くピンク薔薇