さてさて、続きですピンク薔薇


 

それでも、
その時の私は
家庭はあるし、
だんなさんも子供もいる





なのに、
そうやって、家族で過ごしていても
彼のことしか考えられなかった




罪悪感もあったし
ここは私の居場所じゃない
そんな気がした




そして、決めた
とりあえず1年はこのまま
頑張ってみよう




それでも、
罪悪感や喪失感で
どうしようもなかったら
離婚するしかない、そう思った





やっぱり、
もう会わないにしても
他に好きな人がいるのに
一緒にいるなんて





だんなさんに申し訳なくて
私にはできなかった





たとえ、彼と一緒になれなくても
私は嘘をついたままでなんていられなかった




だって、
家で、妻として、母親として
暮らしていても
身体全部で彼のことしか
考えられなかった





他のことなんて、ひとつも




お互いに既婚で
出逢って好きになってしまったこと




そのことに対して
私なりに最大のつつましさというか
誠意をもちたかった




どんなに間違ってるとしても
どうしようもないのだとしたら
せめて、自分に誠実でいよう





隠したり、嘘をついたり
他に好きな人がいるのに
平気なふりなんて
とてもできなかった





この頃は
母親との関係もかなり悪かったし
とにかく彼を忘れるために
仕事に没頭してたし




だんなさんも薄々、
私の気持ちが他にいってるのに
気がついていたのだと思う


  


親との確執とか
パートナーシップとか
離婚するかどうかとか
夫婦とは?とか




いろんな膿出しが同時進行で
全開になってたんだけど





実は私としては
彼のことで頭がいっぱいで
それしか
何も考えられなかったから





だから、離婚も大変だったけど
本当は実は
あんまり覚えてない




知らない間に終わってた
離婚話をしながらも
彼のことで頭がいっぱい
みたいな、
ほんとに狂ってたよなあ




離婚危機は、結婚生活12年間の中で
何回かあって。
それはだんなさんの
問題ではあったのだけど





いつも私がなんとなく
許して、そのまま
なんとなく仲直りする、という感じだった




でも実は知らない間に
私は積み重なる悲しみがあってね
それを閉じ込めてんだと思う




だから、
彼のことがきっかけで
私はこれ以上、
だんなさんに嘘をついて暮らせない
と、思ったんだけど




でも、それがあったから
思い切って離婚できたし




あの時してなかったら
いまでも私は悶々としてたと思う 




むしろ、あのタイミングしかなかった
それは突然にやってきた




結局、1年頑張ろう、と決めた
半年後に離婚話が始まり
正式に別れたのは本当に
決めてから1年後だった




別れてほしい、と言ったとき
だんなさんに、なんで?と聞かれて




他に好きな人がいる
その人も結婚してるから
いつ一緒になれるかわからないけど
私は他に好きな人がいるのに
結婚生活を送ることはできない





そのままを言った




そしたら旦那さんは
今までの自分の行いも悪かった、とか
相手の男はどういうつもりだ、とか



その男と一緒になれるまでは
うちにいればいいじゃないか、とか
別居ではだめなのか、とか


 

かなり引き止められた




そして、もし別れるなら
親権は渡さない
子供に関しての
全責任と主導権は自分が持つ
と言った




そして、この事は
子供には言うな、そう言われた
私は、わかった、というしかなかった




条件は全部飲むつもりだった
どうなってもかまわない、と思った




それくらい、他の人が好きなのに
別の人の妻であることが
我慢できなかった




そして、それを隠して生活することも
それって、ただのずるじゃん、
って思った




自分自身に関しても
周りに対しても、
子供のためとかそんなの嘘で
ただのごまかしだと思った





私は子供にお母さんは浮気した、って
知られても仕方がないと
思ってたし





それで嫌われても仕方がないと
思ってた




言い訳のしようもない
どうしようもない
全部私が引き受ける
だから、私を自由にして、
そう思った


 


自分がしたこと
自分で決めたことだから
ごまかしようがなかった
誰にも好かれるようにするなんて
私にはできなかった




その点では
旦那さんのことを心から
信頼してた
この人なら、子供たちを任せても
大丈夫だ、って




全部覚悟してからの
離婚して、だった
だから、どんなことになっても
かまわない、と思ってた
 



たとえ、2度と子供に会えなくなっても
最低な母親だと思われても
この子たちは大丈夫
私の子供だから、絶対に大丈夫





子供をすてて、男の人を選んだ
それは今でも後悔は一切してない




それに、その時は捨てたことに
なっても仕方がない、と
思ってたけど、
実際は、ちゃんと会わせてもらって
むしろ、すごく仲良くしてる




それは本当に不思議なもので
全部すてて 
私ひとりだけになる、って
決めたら




結局、なぜか
だんなさんは、子供の為に
会ってあげて、
ご飯をつくりにきてあげて、と
言ってくれて





結局、別れて春で3年になるけど
いまだに、子供には毎日のように
会ってる




ありがたいなあ、って思う
でも、当時はそんなこと
1ミリも考えてなかった

 


分からないまま、
がむしゃらだった




親権を渡すなんて
ワケあり感、満載だけど、
(実際そうだけど)




実は親権なんて
紙切れ一枚のことだと知った




そして、離婚しても
関係がなくなるわけでなく 
そこから始まる新しい形があることも
知った

  


血のつながりとか
親権とか
片親とか
本当は子供にとっては
そんなこと
そんなに大切じゃないんじゃないかな?





そうやって
今思うとすごい流れで離婚した




だんなさんにはかなり
引き止められたから
大変な時もあったけど




本当にそれより彼が好きで
つらすぎて 
なのに、私は結婚してて
違う人の妻であることに
違和感がありすぎて




でもやっと
1人になって
ちゃんと自分の居場所を
持てるんだ、とも思った





もう、違う場所にいなくても
いいんだ、って、
そう思った




実際には
夫婦仲も、悪くはなかったんだと
思う   




でも、やっぱり別れて良かったと
思ってるし
別れてくれたこと
子供を引き取って愛を注いでくれてること




それは本当に感謝しかない
本当にこの人の子供が産めて
良かった、って思ってる





私を母親にしてくれて
本当にありがとう
今でもそう思う




そうして、私は
自分1人の場所を得た




小さなアパートだったけど
ああ、もう
ここで思いっきり泣けるんだ
彼のことばかり考えてていいんだ、
そんなことを思ったのを覚えてる





続くピンク薔薇





ビーチサイドにて!