8月4日に、厚生労働省、労働政策審議会労働条件分科会より
(分科会長 岩村正彦東京大学大学院法学政治学研究科教授)
「有期労働契約に関する議論の中間的な整理」
が発出された。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001l5xw.html
これは、民主党がかねてより提唱している有期労働契約規制法案の検討会である。
例えば、現在様々な会社で活用されている期間の定めのある雇用契約
(いわゆる契約社員)に関し、
①更新可能回数・期間を法定化し、これをこえるものについては期間の定めのない契約とする
であるとか
②そもそも有期雇用を活用することを原則禁止し、これを活用できるのは一定の例外事由がある場合に限る
などといった規制方法が検討されているところである。
実務においては、有期労働契約につき、解雇権濫用法理の類推適用や合理的期待権に対する保護法理などの裁判例の蓄積や、労働契約法上の保護により、充分な保護が与えられているところであるが、更なる規制がかけられた場合、企業としては一時期の派遣(リーマンショック後「派遣切り」として、派遣労働者の契約解除反対運動が、派遣利用そのものへの反対運動となった)同様に、有期雇用制度の利用すら控えなければならない
既に、企業にとっては円高・電力不足・震災対応等厳しい制約が課されている中で、さらに契約社員(期間工)についても規制をかけるとすれば産業の空洞化が益々深刻なものになるといわざるを得ない。
かかる規制の法制化については筆者も反対である。