8公演、お疲れ様でした。
いつも、終わってしまうと、さびしい、という気持ちが強いのですが、今回ばかりはなんだか、無事に終わってくれたことをほっとしています。
いつもはこの舞台チームの紹介も兼ねて感想書いているのですが、今回は知ってる前提で書きますね。
あと役個々の感想はもう個々に手紙に書いてしまったので二度書く気になれないw
なので役名で失礼します。
3月の大阪公演の感想はこちら。
http://ameblo.jp/kurackey/entry-12008204656.html

東京全体の印象としては、それぞれの「演技」が確実に役者によるものだったということ。
今までアクロバットとかダンスとかリズム感とかが重要視されていた(というか注目されがちだったし、実際私もそちらを重点的に見ていた節があります)彼らの舞台が、
「役で魅せる」ことをまたひとつ伸ばしてくれたな、という印象でした。
良くも悪くも劇団。
「好き」や「楽しい」ことの延長、…ではなく、今回、役者として、プロとして、「魅せよう」とする意気込みが若手の間でどんどん強くなっていったのが、目に見えてわかりました。
それはでも、このチームで互いを高めあえるこそだからなんだろうなぁと。
舞台上で新しい演技をしてみるって凄く勇気のいることだと思うのだけど、それをちょくちょくやってる皆は、周りと相談しながらやったり、やらせてもらったりしてるんだろうなぁ。
毎日ちょっとずつ違う演技をして役柄について探ってみたり、そういうのをやれる環境のなかで、安定感のある大人組に支えられて、また大人組もより役に深みが増していったのが手に取るようにわかるのですね。
彼らにとって一番の原動力はこの「絆」なんだろうな、としみじみ感じました。
今回、この内容で8公演はさぞ体力的にも精神的にもきつかったと思う。
(精神的には前回の零式東京公演のほうが大変だったかもしれません)
正直、2日目と3日目なんて誰かが倒れるんじゃないか、一歩間違って怪我でもするんじゃないか、とハラハラしてました。
2日目と3日目、それぞれしんどそうな人は違ったけど、初日の緊張から解かれて遠征疲れが出て、このまま、どこで皆が持ち直せるんだろう、と。
でも、みんな、疲れなんて全く取れてないはずなのに、後半折り返したところからでしょうかね、突然集中力が戻って、急に演技が一皮剥けて、 武将の顔つきになって…
まぁ私がその回は舞台から近いところで観ていたせいもあるのでしょうが、みんなの姿を見ていてすっごいべしょべしょ泣いてしまいました
(声も鼻水も出さないので涙が洪水のようだった…)
その中でも、疲れているはずなのに、フォローすらしてくれていた毛利、家康、そして大野のお三方。
素人の私の目から見ても分かるぐらい、皆を、舞台を助けてくれていました。
掛け合う役の相方の不調を必死に支えてくれた毛利と家康。
率先してアドリブ入れて、場の雰囲気を持ち直そうとしてくれたりもしてましたね…。
そして、常に全体のバランス見ながら立ち回ってくれていた大野。
間の取り方、舞台の全体の雰囲気、それらをみている方々が、常に客席を意識して立ち回ってくれていました。
きっと、裏でも皆のことフォローしてたり、檄飛ばしたり、引き締めたりしてくれてるのかなぁ、なんて思います。
この長丁場の公演の中でも、特に丁寧な印象だったのは長宗我部と才蔵の二人の印象が強いかな。
ちょくちょく疲れてたりも一瞬だけ見せるけど、基本、ほんと一瞬だけで、全く最初から最後までブレずにやり遂げていましたね。
体力あるなぁ~~~~!
長宗我部が、平伏して懺悔しているような姿、その相手が大助っていうのが、個人的に凄くよかったな…
やっぱり、前の舞台で予科練の少年達がただ死んでいく姿を見送らなければならない教官の役をやった経験もにじみ出ていて、「なんで長宗我部が刀を捨てたか」に物凄く説得力が生まれた気がします。
目線の使い方が上手いのはやっぱり家康・淀殿と大野。
目線だけで表情が変わるし、舞台の雰囲気がガラッとかわるのはこの二人だと思いました。
突然、舞台全体が、その役の心情に飲み込まれるというか。
一瞬にして色が変わるような気がします。
個人的にお兄ちゃんに家康が心許してる描写というか演技が増えてたのすっごいよかった…
余計最後の対決が策略感出てて、家康おそろしや…ってなりました。。
家康の悔しいのに笑ってる顔とか、策略を叩きつける時なんて客席で悪寒で震えてましたもんね、私。
間の取り方が抜群に上手いのは毛利だった印象。
セリフが多くなかったせいもあったと思うのですが、語りのところとか、間の取り方だけで観客をその間に引き込むところが印象的でした。
間は、舞台に凄く大切。
特に、畳み掛けるような演出や流れがある舞台だと、その間が活きてくるなぁと。
3公演目ぐらいからだったかなぁ、皆にも渇を入れるような名乗りから始まって、間と間で引き締めてくれてた気がします。
明石は、他の五人衆のひとりである武将としてはもう充分存在感を発揮してたけど、
それまで「キリシタン」って設定がある意味演出上でのみ活きていたような気がする。
特に、過去について多く語られないせいもあるんですけどね。
だけど、裏切るかもしれないフラグを立てた毛利との語りの中で、明確に慈悲の心を持って接している演技になって、達観した何か神々しいオーラすらあったように思います。
「ああ、彼は洗礼を受けているんだな」っていう雰囲気を纏っていました。
(演技力の伸びっぷりが凄まじくて私が召されるかと思った……)
贔屓目だったらすみません。(笑)
個人的にはね、後藤又兵衛が歴史上で好きなのでね、又兵衛と才蔵が本当に親子のようになってって、人一倍声に迫力がある又兵衛が息子に自分の晴れ舞台を見せるところの間の取り方で、一気に全身から這い上がってくる何かが、涙を溢れさせてくれるんですよね~…
晩年不幸だったと言われてる又兵衛が、少しでも死ぬ間際幸せであったらいいな。
大阪前半では割と唐突だった兄弟対決は、あちこちに対決フラグを立てる演技をしてくれていて嬉しかった。
大阪では蝉の描写本当に必要なのか?(遊んでいるだけなのか…?)
と思ってもいましたが、夏の陣の背後に流れる蝉の鳴き声に対して活きてくる演技がかなり入ってきていて、夏の陣つら
ってなりました。特に、最期の対決なのに、二人で稽古してるように笑い合って、信繁が信之斬っちゃって「ああ、今死闘の最中だった」って互いが気が付くシーン。
ここ、大阪とか、東京の前半は、ただ最期を二人で戦えるのが嬉しいだけだと思ってた。
でも、最期なのに、昔を思い出して、昔に戻ってしまっている二人が見えた気がする。
はた、と、非情な現実に戻る演技と間が素晴らしく良かった…。
勿論信繁の首を持つシーンも毎日日替わりでとてもよかった。
役と役の掛け合いで、「ああ、だからこの二人が掛け合っているんだな、この二人の掛け合いでこそこの役の設定に深みが生まれるんだな」ということを、説得されました。
語りの中心である佐助の声質の違いで場面転換がはっきりしていたので、やっぱり怒涛のごとくの展開と切り替えでも、置いて行かれることなく切り替えられていたと思います。
勿論、ダンスも殺陣もみんな体幹が確実によくなっていて、ダンスとかアクロバットのキレが確実に前の舞台よりよくなっていました。
(もう主役の信繁に関しては文句なく上手ですよ…扇子の音人一倍おおきいもん…←あの音が大きければ大きいほど上手いと剣舞では教わりました)
一度、カウントとってみようと思ってみた回があったのですが、ほんっとーに綺麗に音楽に合わせてカウントとってるのね、凄いね。
音楽にあわせて動きが出てくるんじゃなくて、動きで音楽奏でられそうだもんね。
今まで、この舞台の演出上カウントとかがどれだけ大切か理解していたつもりでいましたが、一通り全部みて、
一歩間違えたら大事故になりかねないような殺陣、それを毎公演やりこなしてしまう彼らの練習量と絆を見せてもらいました。
本当にお疲れ様、としかいえない。
彼らは、このチームで演じる限りその絆を糧にどんなことも乗り越えていけるんだと思います。
そんな彼らを少しでも応援出来たらな、と、思ってしまいます。
ううう、通常公演の千秋楽(7公演目)を円盤にしてほしい…!!!!
素晴らしかった、もうあの回は本当に本当に素晴らしかった…………!!!!!!!!
あの回スタオベしたかったよおおおおおおおおおおおお

どうしてこんな陳腐な言い回ししか出来ない。
DC版のアドリブ集とか、淀殿の歌とか、エンディングダンスとか(この日はずっと笑ってたのですが、最後のダンスでまたべしょべしょ泣いてしまった。美しかった…)円盤に収録してほしいなぁ。
おまけない割に円盤ちょっと高いのよね…(舞台のチケット代より高いと、高い、てイメージ)
DVD100回見ても生で1回みた感動は味わえないからです。
サントラどうしても欲しいです…
個人的には匂いの演出なくなって助かりましたww
タダでさえ他の舞台より感覚鋭くしてみている舞台の最中にもうひとつ五感刺激されるとほんと気持ち悪くなる…ので…
あと。
今回、自分がちょっとこの舞台に入れ込みすぎたのか、途中「観客」として観劇することを忘れてしまっていた節があるので(心配しちゃったり、「あとは皆を信じるしかない」と思ってみたり)、そこは反省。
推しが不調そうなのを見て私も翌日の会議で倒れかける始末でしたし…
そういうの、よくないですね(苦笑)
きちんと、チケット代払って観にいってるんだし、客として楽しませて貰うことに集中するのが観客ですもんね。
彼らももう、きちんとしたプロですし。
次回公演も本当に楽しみです。
円盤でたら、多分この舞台ものっすごくアメリカ人とかが好きなタイプの舞台なので、勝手に鑑賞会しようと思います。
私は翻訳しねーぞー!!(私信)
海外公演はぜひNYで!(予算は…)
久々にアメリカ帰りたいし、いくでー!
