私は
自分の中に湧いてきた問いかけや、ちょっとした疑問に
答えが出ないとき、とりあえず棚上げしておく癖がある
諦めが早いというか、まあ、面倒なことは後回しにする


あの人の名前なんだっけ的な、小さい疑問から、
人間いかにいきるべきか的な、形而上の大問題に至るまで
ごったごったと、棚に上げたままで、ほこりをかぶっている。
時々思い出しては、棚からおろしてみるが、
やっぱりわからず、また放り上げている。
たまに答えがわかりかけても、
そもそも、その答えの「問」はなんだっけとなり、
また、棚上げするというありさまである。


自己実現・・・というのもそうだ。

自己実現とは
マルクスの概念で、ざっくりというと

自己が本来持っている真の絶対的な自我を完全に実現すること。

ということらしい。(ざっくりすぎるけれどべーっだ!



何ヶ月か前に
友人とランチをした時に

「この頃、わたしは自己肯定感があまり感じられなくて、しんどい。

自己実現(棚からひきずり下してきた)・・・とかしたい」

・・・とぼやいた

友人は

「60も半ばになろうとするこの期に及んで
何をいまさら、青臭いことを言っているのだ!
そもそも、真の絶対的自我・・・って何なのよ!

自我を実現するなんて
私は、もうそんなのず~~っと昔に捨てたよ!

いい歳をして、自分探しの旅に出るなんて言わないでよぉ

自己肯定感が感じられないだとぉ・・・ムムム

あなたが私の親友でいてくれるだけで、私はとても幸せなのに、
それだけじゃ、ダメなのか!!!」


怒っているんだか、励ましてくれているんだか、わからないけれど
赤い顔してプンプン ムムム  ムムム  ・・・言っていた。


その「自己実現」という言葉を、また、聞くことになった。

それは、音訳ボランティアを養成する講習会の開講式での、えらい人のご挨拶の中


音訳は、
即ち文字を音に写し代えて、視覚障碍者の視覚の代替の用に供することであり
これは、鉄則です。

音訳奉仕者には
原本を正確に読める能力、 校正・直しの繰り返しに耐える根気強さ 
完成日を守る誠実さが、絶対条件であり、

音訳上の制約も
 身体的な条件、身についたアクセントなど、かなりあります。

一冊の本を読み上げるには、気の遠くなるような(決してオーバーではない)
努力、忍耐、時間、根気が必要です。


そして、
金銭では贖えない行為を、継続するとき、自分自身が恵まれる筈です。
それこそが、まさに自己実現となるでしょう。



安易に考えない、但し肩肘も張らない。淡々としてお続けください。
必ず優秀な音訳奉仕者になれる筈です。



そんな、そんな大それたボランティアとも思わず、応募してしまい
優秀な音訳奉仕者になるべく勉強をする羽目となった。

決してオーバーではないと力を込めて、おっしゃった
気の遠くなるような、努力、忍耐、根気・・・ああ叫び
私に最も欠けている才能の全部

早く言ってくれたら、応募も考えたのにぃ・・・叫び

定員15人。
といっていたから、テストを受けに来た人数から考えても、
もう少しいるかとおもっていたら、たったの3人で、もう引っ込みもつかず

ふとした出来心から、自己実現を目指して頑張ることに相成りました。



前出の友人に話したところ、

なんで、棚から「自己実現」なんてものをおろしてくるかねえ・・・
よりによって、そんな厳しい道を選択したのやら・・・
って顔しながら

「ほう、いいじゃん。自己実現 おやり!!おやり!!」と背中をつついた。

「いざとなったら、骨はひろってあげるからさ」だって

もつべき者は親友だ!!    あ・り・が・と しょぼん

もっとも
上記の、絶対条件を満たす者になったかどうかの二次試験に、合格してからのお話ですが・・・・・シュン汗