「雪の幻想」が「長崎の歌は忘れじ」という映画で使われていることは以前から知っていましたが、その映画を観たことがなかったので先日観てみました。
劇中ではてっきりBGM風に使われているのかと思ったら、主人公が夫との思い出の曲が「雪の幻想」であり、戦争に行った夫を思ってこの曲を弾く場面がなんども出てきました。
その爪音は、衛藤公雄先生のものです。これまでに私が録音で聴いている衛藤先生の演奏と音の使い方が少し違っており、大変興味深く聴きました。また、映画では二重奏も演奏している場面があります。雪の幻想は独奏もできますが低音部を加えて二重奏にもなります。この低音部も私が弾いたことのある楽譜と少し音の使い方が違っていたように感じました。
それだけではなく、この映画の根底に流れる「心の真珠」のメロディは、雪の幻想の四段のメロディです。。このメロディーをThemaとしてさまsざまな変奏を教会のオルガンで演奏するシーンもあります。Themaは曲全体に通っているのですが曲の進行は箏のそれではなく、まるで讃美歌のようです。コードや曲のストーリーも別物ですが自然にThemaに戻ってくる、というのは箏の「雪の幻想」を知っている人からみるととても面白い!
そして、最後の場面は圧巻!主人公(京マチ子)がソリストとなり、オーケストラや箏群と一緒に「雪の幻想コンチェルト」さながらに演奏しているのです。そして!!よく見るとかつてお世話になった大塩寿美子先生(衛藤先生のお姉様)や大谷満寿子先生(衛藤先生の妹様)が箏群に入って演奏しておられるのがわかりました。また、主人公が弾いている楽器、、、これは何絃箏なのでしょうか!!初めて見る箏です。映画をご覧になった方でお分かりになる方がおられたらぜひお教え頂きたいです。
...非常に興奮状態となってしまいました。続きは後日。
写真は、映画「長崎の歌は忘れじ」の最後の方のシーンからカットしたものです。後列に一番手前が大塩先生。「手だけ」とおっしゃってましたが、お顔もばっちり!でした。