この週末、私の録音などでお世話になっている方の結婚式に参加しました。結婚式は、人生の大きな記念日。お二人にとって、良い「思い出」になることをお祈りしています。披露宴の入場では、私の演奏「一人で奏でる春の海( https://www.youtube.com/watch?v=oiTlpGZMQng)」 を使ってくれて、、、私としても良い「思い出」になりました。

写真は、待ち時間に夫が撮ってくれた写真\\(^.^)//

 

さて、衛藤先生の「思い出」、その二回目です。

この曲は衛藤先生によりますと「昭和19年に少し体調を崩した折、信州の療養疎開先で作った曲」とのことです。
その頃やはり東京が恋しく、そういう気分の時に、当時憧れていたシューベルトのセレナーデやタイスの瞑想曲などのようなセレナーデを作ってみたい、そんな思いで作られた曲です。
その甘美で切ないメロディーは聴く人の心を掴みます。私も小学生の頃には先生のレコード(現在は廃盤になっています)で「思い出」を何度も聴いて、メロディーを口ずさめるようになっていました。
最初は、衛藤門下に入りすぐに教えを受けた青山先生にこの曲を教わりました。その後、衛藤先生の直弟子になってから仕上げを見ていただきました。曲の途中で、楽譜(公刊譜)には載っていないメロディーも教わりました。これは楽譜に書いてあるよりも少し複雑な「手」で、直接教えを受けた人だけが演奏できる性質のものです。Youtubeに公開されている衛藤先生の自演( https://m.youtube.com/watch?v=XxpNVvbn5xI )での該当部分の演奏は、私が教えていただいたメロディーです。

衛藤先生に教えを受けた時、私はまだ高校生でした。衛藤先生が「由布子ちゃんはまだ若いから、思い出などというものがそんなにある訳ではないけれどね」と冗談ぽくおっしゃったのを覚えております。