16歳で衛藤公雄先生の直弟子となりました。衛藤先生との最初の頃のお稽古では、それまでに付いていた先生(衛藤先生のお弟子の方でした。ですので16歳まで私は衛藤先生の弟子の弟子、つまり“孫弟子”でした。)に教わった曲を次々に衛藤先生に見ていただきました。

 
それまでに教わっていた曲は、衛藤先生の作品、宮城道雄先生の作品、そして古典曲でした。その中から一曲、先生の前で弾くと、先生は「良いでしょう。では次の曲を弾いてください」と仰いました。一、二度は「また次回も同じ曲を」と言われましたが、ほとんどは一度お聴きになるだけでした。
おそらく衛藤先生は私がどの程度習得してきているのかを確認されたのだと思います。私は、「同じ曲で二度目のダメ出し」ならないよう、少し緊張したこと、覚えています。
 
しばらくして、私が高校二年生の時、衛藤先生から初めて新曲をいただいました。それが、「箏尺八二重奏曲」です。そう、先日の「薫公会演奏会」のトリで私が弾いた曲です。この曲については、改めて記事にしたいと思います。