高校二年生の時、母と一緒に千葉県の津田沼にあった衛藤公雄先生のお宅にお伺いしました。

数年ぶりにお会いした先生は威厳があり緊張いたしましたが、これから家元の許で稽古をつけていただくことの喜びに気を引き締めたことを覚えています。

お稽古の初めに「よろしくお願いいたします。」これは言えました。厳しいお稽古なのかと緊張していましたがそのようなことはなく、終始穏やかなお稽古風景だったことを覚えています。

二度目のお稽古で、油断をしました。「初めの挨拶」を忘れたのです。そうすると、「最初の挨拶をしなさい」とご注意を受けました。ドキドキしました。「よろしくお願いいたします。」とご挨拶をしてからお稽古開始。先生は技術よりもまず大切なことを私に教えてくださりました。

それは今の私がお稽古をする立場になってからもとても大切にしていることです。