『すみません、レジ変わって下さい』
普段の俺は人にあまり関わらないことにしている
たまごっち
いつの間にか始まっている
「1番くじ」
『5回』
『Dが1枚、Eが1枚、FとGが2枚ずつになります』
そう俺がくじの対応をすると大体、こうなる
だから普段の俺は
『店長、変わって下さい!』
ヘルプを要請することにしている
しかし今日は勝手が違った
普段の俺は松井ちゃんor店長と2オペ
しかし今日は店長が来るまで1時間ある
波多江さんとは2回目
当然、彼女のことはほぼ何も知らない状態
『後、5回!』
俺からはヤメた方がいいに決まっている
責任も取れないし、
いや
まだくじはたんまりある
人は光があるからこそ希望があるからこそ前に進もうとするもんだ
「まだ当てさせる訳にはー」
お店のことを考えるとそう思ってしまうことも
絶対無いとは言えない
雑念
「いかん、別のクルーさんに変わろう」
今日は最初から何か勝手が違った
例えばEやFが出たとしてもどれも当たりみたいな感じで『これが欲しかった!』や『この中から選んで下さい!』と言うと真剣に選別をしている姿に印象が残るのに
今日は
「適当に選んでないか?」
そう思える姿が目に残る
どう考えてもみんなのお目当ては
たまごっち!!!
「もうダメ!」
平常心を保ってはいられなかった俺は彼女と交代をすることに
「E、2」
「F、1」
「G、2」
…
俺より悪いかも
『息子が大学の試験でその間、おみくじをしてー』
『あ、すみません、俺、おみくじしないんでー』
『興味も無くてーて、ところで何やったんですか?』
『中吉!』
「大吉や凶なら分かるが中吉とは?立ち位置すら分からん」
『それって?良いんですか?それとも悪いんですか?』
結局、何かよく分からんかった
店長、来店
何か知らんが明らかに機嫌が悪かった
「今日、頼れるのは自分しかいない!」
何か知らんがその気になった
『5回!』
もちろん当たる保障などどこにも無い
このままやってもいつもと同じ結果が待っているに決まっている
多分、わくわくはしている
はず
しかしその思考では簡単にはたどり着くことは困難に思える
渡りきれない
『どうやったら当たるか知ってますか?』
俺は彼女に声をかけた
『?』
当然の反応だった
『Aが1枚Bが1枚Cが1枚あとはEとFですね』
『ありがとうございます!』
ご機嫌に帰って行かれた
『すみませんでした』
『機嫌が悪くて』
色々あったみたいだ
話を聞いたらそりゃしょうが無い
俺も怒るわー
『たまごっちなんですね』
『もっと早く無くなるかと思ってました』
『みんな様子見なんですかね?』
経緯を話すと
『みんなたまごっち狙いですよ』
『あとはラストワン賞』
大きなぬいぐるみがあった
『しかしアドバイスしただけでA、B、C持っていかれました、すみません』
『あ、いいんですよ』
『みんなが喜んでくれたら!』
『ところでやっぱ考えます』
『当たるから俺がアドバイスをしたのか?それとも俺がアドバイスしたから当たったのか?』
『永遠に分かることは無いでしょうがー』
『5回!』
若いカップル
店長は両替の為、店を空けていた
他のお客さんも居たんで対応に追われる
『レジ、早くして!』
俺よりは下かも知れんおっさんが言う
しかしくじは手に渡すまでが大事
あ、急がしたかな?
適当に選んでいる?
もちろんD以上は皆無
『お待たせしました』
レジ打ちしてる間、カップルは何やらごそごそ
「絶対、あと5回くる」
『5回』
間が悪かったんでここはおっさんの『早くして!』のアドバイスを頂戴して
「早く当ててやろう!」
そうしないと最後まで行ってしまう可能性もある
1回700円は結構な金額
『よーく考えよーお金は大事だぞー』
『さっき5回やってA、B、C出したお客さん
居たんですよ』
『スゲっ!』
彼女が3枚、男性が2枚
先ほどと同じ光景
『あ、そこ!そこの部分がー』
店長が帰って来た
『あと21枚ありますねー』
『ちょっと早過ぎましたかねー』
『たまごっち無くなってしまいましたねー』
『いいんじゃないですか、お客さんが喜んでくれたなら』
『やっぱ無って大事ですね!』