営業部 高橋と 総務課の河合さんは

結婚 秒読み






幸せいっぱい のはず




なのに  深刻な顔した 高橋から






『先輩 相談があるんですけど … 






昼休み 会社の近くの喫茶店へ





注文した途端 高橋が待ちきれない様子で

話しを切り出してきた







『彼女が 両家の顔合わせをしたくない

って言うんです』







ほう? 確か 河合さんは お母さんと

二人暮らしだったよな







『はい そのお母さんを呼ばないで

彼女一人で 僕の実家に挨拶に行くって

言うんですよ』







話しを聞いてみると 高橋本人も いまだに

お母さんに 会わせてもらってないらしい






うーん なぜだろう?





理由を尋ねると 一瞬 戸惑った高橋は

テーブルのお水を 一気に飲み干し

意を決したように 話し始めた








『彼女のお母さん アルコール依存症

なんです … 







高橋の話しによると 河合さんが

中学生の時 両親が離婚




それ以来 お母さんは お酒に溺れる毎日




たまに 病院に連れて行ってるけど

河合さんが家にいない時に 隠れて

飲んでしまっているらしい







『彼女 恥ずかしいから お母さん抜きで

結婚を進めたい って言うんです … だから

僕にも 挨拶に来なくていいって … 







話している高橋の手が 震えている








うーん 恥ずかしい かぁ …





河合さんの気持ちは わからない でもない




出来れば 隠しておきたい と思っている

のかもしれない







でも







でも どんな状態だとしても

自分の娘の幸せを 願わない親は いない







うん 絶対に いない







俺は 思ったままを 高橋にぶつけた







いいか 高橋






『は、はい』







高橋の実家には おまえと河合さん

二人だけで行け





そして 河合さんのお母さんには 高橋

おまえ一人で挨拶に行け どんなに

河合さんが 反対したとしてもだ

そこだけは 譲るな







『絶対 … 譲らないんですね』







そうだ なぜならば 高橋







それが 結婚 だからだ







すべてと向き合い すべてを受け入れろ






『は、はい』








俺は 深呼吸して 最後の言葉を伝えた









安心しろ そうすることが



二人が 後悔しない道だから










高橋は泣いている






俺の気持ちが伝わったようだ











『じゃあ 先輩 … 








ん?












『先輩も ついてきてもらえませんか?』



















なんで? (Д)