今の時期 部長に 近づいてはならない







大のサッカー好き というだけなら

いいんだけど 厄介なのは 極度の

教えたがり ということ





自分の 知識を 言いたくて 一日

ウズウズしている





今日は 土曜日で 出勤も まばらだから

非常に危険だ





俺は この事を知った 8年前から

サッカーにはあまり興味がないフリを

して 防波線を敷いてある






そんなことを 当然 知らない 入社2年目の

次郎が 早速 捕獲された







『いいか 次郎 スペインていうのはな』






部長の講釈が始まった





次郎も スペインと コスタリカの説明は

ちゃんと聞き入っていた





ただ 日本とグループの違う ベルギーの

話しになった辺りから 次郎の表情は

あきらかに 死に始めた







まっ これも 人生勉強だね )







部長には どうしても 納得いかないことが

あると言う





それは 勝ち負けの 予想だ






『なんで インコとかパンダが予想すると

テレビ取材が来るんだ?』






どうやら部長は テレビカメラに向かって

自分の予想を 発表したいようだ






『ドイツ戦 日本が勝つって当てたのに』





と 部長が ふてくされていると ちょうど

そこへ 外回りから戻ってきた 清水が

笑いながら 冗談を言った








『動物が 予想するから良いんですよ

部長も 着ぐるみ着てSNSにあげてみたら

どうですか? そしたら 取材が来るかも

しれませんよ』








まわりは みんな 笑っている







部長以外は







そんな空気を察した清水は 慌てて






『部長 冗談ですよ 冗談』








部長は笑っていない








気まずい






俺は そうっと 外回りに出掛けた











午後4時 最後の商談先を出て 会社に

帰る途中 名古屋 栄の交差点

横断歩道を歩く 部長を見かけた






ん? こんな時間に外出なんて 珍しいなぁ







顔を見る限り 機嫌は良さそう



というより とても足取りが軽い



むしろ ルンルンだ







俺は 車の窓を開けて 声をかけようと

思った その時








部長は …

















ドンキホーテに 入って行った