大学に入学したその日、僕は突然、文章を書くようになった。特にきっかけのようなものがあったわけではない。慌ただしかった入学式から戻って来て、一人暮らしの誰もいない自分の部屋を眺めたとき、何かが僕にペンを持たせたみたいだった。あれから早いもので4年のときが過ぎようとしている。その間、僕は毎日欠かさず、ペンとノートを取り、その日あったこと、その日出会った人のこと、心に浮かんだあらゆることを何の略略もなく書きなぐった。文章を書くということはつまり、僕にとってささやかな精神浄化への試みだったのである。

 僕にとって文章を書くということはとりもなおさず、絶え間ない自己との対話そのものだ。それは自分以外の誰の存在もないところで自分自身を見つなおすための時間、めまぐるしく変わりゆく環境の中で変わることのない自己を捉えるための場所である。しかし、不思議なことにあるときから僕は、そうした自己完結の世界で書いた文章を自分以外の外の世界に対して、発信してみたいとの想いを持つようになっていった。一時は誰かのお誕生日カードやフェアウェルカードを書くことでその衝動を抑えていたのだけれど、どうやらそれだけでは腹の虫がおさまらないらしい。今回、ブログを作ることにしたのはそういう経緯からである。

 僕は人前で自分の考えていることや思いを口に出すことを好まない。できれば波風立てずに人生を歩んでいければと思っている。だけれど、このブログの中だけは思っていること、日頃感じていることを包み隠さず書きたいと思う。所詮は僕個人の独り言の続きだけれど、その中で読み手の方に何かを感じてもらえれば読み手の方にとっても、僕にとっても何かの足しにはなるかな、そう願ってやまない。

YOHEI