葉山神社遷座祭、竣工奉祝祭に向けて16 遂に鬼門! | 雄勝法印神楽師のブログ

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※このブログは、国指定重要無形民俗文化財「雄勝法印神楽」に関することを基に構成しているブログです。

一般的にわかりにくい言葉だらけですみません。

基本知識は「法印神楽な奴 」をご覧いただければと思います。

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今日は志願の稽古、演目は鬼門です。


今回ばかりは自分の事を中心に書きます。


仕事が稽古場の近くであがりになったので、稽古開始一時間前に稽古場に到着しました。


稽古に参加できない日が続いて不安があったこともあって、この機会に、一人自主稽古をしようと思った訳です。


シーンとした稽古場に一人正座をして、気持ちを落ち着かせて、稽古を開始しました。


遷座祭に向けて、火・木・土と稽古日を定め皆が集まって稽古します。


本番の完成度を高めたくて、全部の日に参加したい、ところが、仕事などの諸事情により思うように行かなくて、内心は、不安と焦りがありました。


そんな複雑な心境の中で、先生方に稽古をつけていただく。稽古をつけていただく先生方に、失礼のないように、稽古前の自主稽古をして、つまりはおさらいをして稽古に臨みたかった。


そういう思いで無音の稽古場で一人おさらいをしていました。

(もちろん、間があれば部分的自主稽古はしてましたよ・・・)


ひと汗かいて、ちょっと落ち着いたので、笛の稽古と、太鼓の稽古をしました。


実に充実した一時間でした。


そして、皆が揃い、拝礼をする前に先生方にお願いしました。


「鬼門の稽古をお願いします。」と・・・先生方には快諾していただきました。


幾多も舞っている比較的得意演目なので、他の稽古に変更になるかもと思っていたので、とても嬉しかったです。


私にとってこの舞は特別な演目なんです。


私が神楽の道に進むきっかけとなった師匠の得意な舞

亡き前々会長に熱血指導してもらった舞

神楽大会で舞った舞

震災から復活しようとしていた時、鎌倉宮で奉納した舞


私はこの演目をとても大事にしているんです。


メガネをはずして、ぼーっとしか見えない世界の中で、体だけが知っている感覚で舞台を端々まで使い一生懸命稽古しました。


周りから笑われようが何言われようが(なにも言われませんでしたけど)、本番さながらに稽古しました。


先生方指導してください。

新人さんたち、私だって真剣に稽古します。


色々な思いが交錯していくなか、混沌とした思いの中で、でも、舞が進んでいく内に、自己は消え、モヤモヤは晴れて、目に染みる汗を感じて「はっ」と我に返った時に演目は終了しました。


もちろん満点評価はもらえませんでしたが、思ったよりの好評価を頂戴することができました。


でも、評価なんてどうでもよくて、自分がどれだけやったか。偽りはないか?という部分が私は大事なので、そこの窓ガラスに映っている自分の姿に「ちゃんとやったな」って思える自分がいたので、稔のある稽古だったと思います。


ん~書いていて、自分が神楽バカだってこと再確認しました(笑)


でもね、稽古は裏切らないよ、こんなもんだろと思って稽古しない奴は相応の結果を受けるだけだと思いますね。


神様は、そこにあるものを最上のものと捉えてくれるんですって、例え稽古ができなかった舞でもね。そんな優しい神様に、偽りの精一杯は自分は奉納できないです。

もう少し、汗をかかせてくださいね。優しい神様。