16歳の冬。戦場の音に怯えて生きていた父が海に消えた。
一歳、母のミシンの音を聞いた
二歳、父の靴音を聞いた
三歳、古いレコードを聞いた
四歳、兄とピアノを見た 大きなピアノだった
さわるとダイヤのような音が おなかの中にひびいた
このドラマを観たのは私がまだほんの子供の頃。
ドラマの面白さも、当時の世界情勢もさっぱり理解しておらず、毎日をただ子供として送っていた頃。
不思議とこの辺り10年で観た物に今も惹かれて止まない。
マーラー交響曲第4番ト長調をテーマ曲にこの物語は一種ストーリーを見出しがたく綴られる。
主人公、調律師の榮子は音を傍らに日々を紡いでいく。決して幸せに満ちている生活ではない。哀しみも、死も満ちて、けれど物語は音にくるまれて、むしろ淡々と進む。榮子が弾くピアノは実際に役者の、中野幸世さん自信が弾いているらしい。
風の音から人の姿が浮かぶ。
何だかね、本当はこんな風に、書いてみても始まらないとは思う。
その後、4作にわたって作られた1連の作品は不定期で、見ることはほとんど奇跡といって良い確立だった。
第一作の「四季~ユートピアの~」はテレビの国際コンクールとして権威のある、国際エミール賞、優秀作品賞、イタリア放送教会賞などを受賞し評価は高いらしい。
とはいえ、国内の放送はアーカイブを入れて多分2回。固定ファンはいると思うけれど、この放映を見ることが出来た人は稀だと思うので、あまり誰からもこの話は聞いたことが無い。
人から聞いても、文を読んでも多分伝えられない、伝わらない。
この音、この情景を見て、感じるための映像詩なのだ。
オンデマンドで放映されているのは、僅か1作。そして最初の作品ではない。
2作目の「川の流れはバイオリンの音」
後半のBGMはビバルデイ 四季の 冬 第二楽章 暖炉
第36回芸術祭大賞受賞作品。テレビ大賞受賞作品。クレモナ市民賞受賞作品。
こわれたバイオリンをなおすため、名器ストラデバリウスのふるさとイタリアのクレモナをはじめポー川、ドナウ川流域のをさすらっていく。
エンドロールの一節
川
川は永遠に流れ
音はうたいつがれ
人は生き 死に
絶えることはない
クレモナのバイオリン製作者さんの言葉とか、全て役者さんではないので、とても響くんですね。
改めて、外部にデータや動画そろえて出しましょう。
けれど、これは、その欠片。
もし興味を持ってくださった方が居たら、除いて見て下さい。
耳と、目と、心に、心地よいその、雫です。
ドラマ 四季~ユートピアノ~
(四季・ユートピアノ、夢は風の中に聞こえるあの音…新聞見出し)
四季・ユートピアノ①
「春・音の光」
「川の流れはバイオリンの音」
映像の詩人 佐々木昭一郎 (1/2)
http://www.youtube.com/watch?v=TBLfI40HoGc&feature=relmfu
映像の詩人 佐々木昭一郎 (2/2)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=SC-_whQPUXs
夢は 風の中にきこえる あの音
虹色の 七つの音よ
雪の日に消えた あの音
風よ うたえよ Aの音から



