2008年11月01日(土)

叡電デオ600形引退(04)

宝ヶ池駅で撮影

八瀬比叡山口方面からデオ600形臨時列車がやってきました。

叡電における京福京都本社標準色を残した最後の旅客車両でしたが、この日を最後に運用を終了します。とはいえ冷房装置がなく、ワンマン機器も搭載されていないことから、ここ数年は予備車の予備的存在となっており、イベント列車以外での運行実績は殆どありませんでした。なので大半は修学院車庫に留置されていたようです。

デオ600形はデナ500形の車体更新車(名目上は部品流用の新製車)です。デナ500形は1964年当時、京福電鉄叡山線では開業当初からの小型木造車置き換えが急務であったのですが、列車衝突事故の影響で車両不足となっていました。そこで軌間と電圧が同じでサイズも手ごろな阪神電鉄831形を譲り受けることにしたものです。ただし発電ブレーキは勾配区間の無い阪神では必要が無いので装備しておらず、両抱き式ブレーキの台車に振り替えてはいたものの、鞍馬線の急勾配区間での営業は行わず、平坦線のみの限定運用としていました。それでも20年近く使用してきましたが、車体が小型で収容能力が小さいこと、発電ブレーキを装備していないので限定運用となることなどから、1979年～1980年に武庫川車両工業で台車・電装品等を流用して新製されたのがデオ600形です。合計6両が登場し、デオ700系登場以降は2両編成3本として使用されていましたが、冷房装置を搭載していなかったのが災いし、デオ900形きらら号に置き換えられて4両が廃車となり、2両のみが予備車として残されていたものです。

前述のように単行用のデオ700系登場以降は2両固定編成化されましたが、単行運転も可能なように運転台機能はそのまま残されていました。このさよなら運転に際し、スルッとKANSAIカードは対応していないので、使用を控えるようにPRしていましたが、それでも利用してしまった人のために予備のカードリーダーを左側のデオ604の運転席に仮設置して対応したそうです。

叡電が京福であったころ、線路の繋がっていない嵐電と同じ会社の路線であることを強く意識したのがこの共通塗装だったのですが、これが無くなることにより違う会社になったんだということを強く意識しますね。また嵐電も塗装を紫に変えていくことになったので、この塗装で残るのは事業用車だけになりそうです。

京阪グループであるにもかかわらず、阪神系列の武庫川車両工業製車両ばかりなのは、阪神から小型車を譲り受けたことが縁となっているようです。ただ武庫川車両工業はすでに解散しており、今後新車を導入する場合はどうなるのでしょうね。

さよなら運転後も修学院車庫に留置されていましたが、2009年に解体されてしましました。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/4/4e/%E5%8F%A1%E9%9B%BB%E3%83%87%E3%82%AA600%E5%9E%8B%E3%81%95%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%89%E9%81%8B%E8%BB%A2.JPG

ウィキペディアより転載
最後にはこのように装飾されたそうです。

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