お茶
お茶、緑茶が大好きである。祖父の家に遊びに行くと祖父がお茶を振る舞ってくれていた。私たちが祖父の家に着くとまぁ一杯、と。煎茶用のお猪口くらいの大きさの湯飲みで、一口くらいしかないのだが、この一杯を飲むとホットそれまでの旅路の疲れが吹き飛ぶ。その他に飲むのが食後、おやつの時だ。この習慣があるので我が家では食後はお茶をよく飲む。祖父が出してくれたような高価なものではないが、家族団欒のひとときである。祖父の家は田舎なのでお客さんやお坊さんが出入りすることがよくあり、その度に祖父はもてなしていた。冬休みや夏休みの長期休みには1週間ほど祖父の家で過ごした。お茶を一緒に買いに行った記憶は数えるほどしかないが、祖父はお茶屋さんで雁金と煎茶をそれぞれ買い、家に持って帰るとどの割合で混ぜていたのか分からないが、広告の裏にお茶を出してものの見事に混ぜ合わせていた。まだお茶が苦くて飲めない頃は祖父が混ぜているのを見て、いつか自分も飲むぞと憧れていたのかもしれない。祖父はまだお茶が飲めない私にもお茶の入れ方を教えてくれた。湯冷ましでお湯を冷ましたあと茶器に入れ、しばらくして並べた湯飲みに順に入れていく。確か湯飲みもお茶を注ぐ前に温めていたように思う。お湯は囲炉裏があったにも関わらず電気ポットで沸かしたお湯だったが。そうやって出されたお茶は格別なものだった。祖父が急に亡くなり、祖父の入れてくれるお茶が飲めなくなった。祖父のお葬式の際、飲んだお茶があまりにも美味しく、祖父の入れてくれたお茶に負けない、と思いどこのお茶か聞いたら、業務用スーパーで買った。とのことだった。あまりの衝撃に言葉が出なかったが、美味しいお茶であればどうだってよい。いくら高価なお茶でも美味しいと思えないものだってある。先日伊勢に遊びに行ったらお茶がたくさん売られていた。伊勢茶として有名らしい。立ち寄った道の駅で久しぶりに雁金を見つけた。200 gで500円程度。まだ飲んでいないが、美味しいと思われる。その横にティーパック40個入りで1000円を見つけ、美味しい気がする、と購入したらおいしかった。同じ祖父のお茶を飲んできた妹も美味しい、と。また妹もお茶好きである。祖父のお茶を通して日本の伝統に触れたこと、今では自分の中の財産だと思う。同じように入れることが出来ないのが悔しいことであるが、美味しいお茶を見つけて人に分けられる人でありたい。