社内規則アドバイザー、前村 久美子のブログ
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

育児休業中は社会保険料は免除なんです!

どうもだいぶご無沙汰してしまった更新になりました。

なにしろ目が回るような忙しさでしたもので(-。-;)


10月~11月は労基署の企業へのお尋ねが入りやすいんです、時期的に。


これを「定期監督」といい、労働者からの申告がなかったとしても、

労基署が定めた年度計画の方針に基づき、その年の行政課題に合った事業所を

選定し定期的に査察するとするものです。


ようするに「どうも~、ちょっとタイムカード見せてもらえませんか~?」、

とお尋ねが入ることはこの時期多いのです。


普段、きちんと労務管理されていればもちろん何も心配することはありません。



さて。今日は出産・育児休業期間中の社会保険料の免除について。


意外と知られていないのが、免除は「3歳まで」OKということです!


育児休業というのは子が1歳まで、保育所に入れないなどの特別な

事情がある場合は1歳6カ月まで、法律的には認めなければならないことに

なっています。


最近では企業も「ワークライフバランス」推奨がトレンド。


法律では1歳6カ月がマックスでも、独自に3歳まで、という制度を

取り入れてももちろんOKなのです。


そうした場合に、社会保険料の免除申請、これは1回しておけば、

3歳までず~っと免除になりますのでその場合は何の問題も起こらない

のですが、盲点は1回復帰して、また育児休業することを認めた場合。


たとえば、子が2歳の時に何かの事情で3歳までの1年、休業すること

になったとします。


この場合、免除申請、つい漏れてしまいやすいのでご注意を。

社会保険料はたとえば月給が30万円の社員さんの場合だったら、

月額の保険料はおよそ8万円ほど。


この8万円を事業主と本人の給与からの天引きとで折半していること

になるのですが、これが事業主・本人ともども免除になりますので、

大きいですよ。


それからこの免除、今までは「育児休業中」のみが免除対象でした。


そうです、今現在は「産前産後休暇中」は対象ではないんです。


これの不都合は、就業規則の一般的なひな形でも、

「産前産後期間中は無給」と謳っていることが多く、ほとんどの企業は

無給としていることが多いです。


ところが、無給、すなわち天引きする元のものがないのに

社会保険料は発生してしまう、このことによって出産後、


「おめでとうございます、ついては社会保険料を月末までに会社指定の

口座に振り込んでください」、てな事態と相成ってしまう訳です。


なんていうナンセンス!


今般、厚労省はやっと「産前産後休暇中も保険料免除」の法案を

来年の通常国会に提出することを目指して動いているようです。




そして一生懸命働いたとして…

先日の高年齢者再雇用の義務化について。


そうして、再雇用されたとしても。

そのせっかくお給料を稼いだとしても。


代わりにもらえるはずの年金が停められてしまう、

という制度があるんですよ。


これを「在職老齢年金制度」といいます。


なんか、在職していると更に年金が増えそうな印象も

受けないではない名前ですが…


60歳以降働きながら年金を受取る場合、給料と年金額との合計が

一定の基準額を超えると、年金額の全部、または一部が支給停止されるんです。


これでは働く意欲が失せませんか?


よくよくもらえる年金との兼ね合いを検討して月給の額を決めないと、

最低賃金額と生活保護の逆転とも似たような話に。


ようするに働いても働かなくても手取り一緒、場合によっては減るんじゃあねえ。。。

ということになってしまいます。


これで良いのでしょうか?

65歳までの再雇用が義務に?!

65歳までの「定年延長」の義務化は見送るようですが…。

(日経新聞9月13日7面)


現状の「再雇用制度」は、希望する者全員でなくとも

労使協定である程度ふるいにかけることは可能です。


ところが改正案では希望する者は全員、再雇用しなければならない、

とするとか。


ちなみに「定年延長」と「再雇用制度」との違いは、


○定年延長…60歳定年を65歳定年、とすること。

         賃金など労働条件はそのまま維持、退職金も65歳で払う。


○再雇用制度…いったん60歳で定年とし退職金を払ってから、

          「再度」、新たな条件で雇用する、ということ。

         賃金は話し合い次第。退職金はゼロクリア。パート的雇用でもOK。

という訳で、これまでも「再雇用制度」、とする企業が多かったのです。


そして、現状は「再雇用」に条件も付けられます。


直近の出退勤の状況、健康状態、評価の良し悪し…、

で再雇用できません、ということもある程度できました。


ところが、これを希望者全員「再雇用」だ、とされると

どうなるかというと・・・


健康状態が悪く休みがちなAさんも、

評価制度上、かなり芳しくないBさんも、

さらには、先日、不始末を起こし出勤停止処分にしたCさんさえ、


「希望があれば」


再雇用しなければなりません。


高齢者雇用確保はもちろん重要です。


ただし義務付けを強めればコスト増加につながり、

こんどは若年者の雇用確保が危うくなりかねません。


こうしたことに対しては助成金の拡充などの対応も

検討されるでしょう。


情報収集は欠かせませんね。




1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>