避けがたい理由で人を殺してしまった「珈琲屋」のマスターの行介。幼馴染の冬子は、行介が事件を起こした後、結婚するのだが、行介が出所するのに合わせて、離婚するたまに浮気事件を起こして、戻ってきている。しかし、行介は、殺人犯である自分が幸せになってはいけないと、冬子との結婚に踏み切れない。
こんな状況に中、人生に悩んだ人々は、行介のコーヒーを飲みに来る。それは、行介のアドバイスをもらうため。ただ、行介はそんなにアドバイスはしない。
読んでいて、行介の言葉を、相談しにきた人々が、自分で解釈しているような気がする。
僕が愛読している珈琲大好きな片岡義男さんとは、まったく違った物語。

NHKのドラマでは、冬子の設定が、幼馴染ではなく、行介が殺した男の妻というもの。すごくハードルが高いのではないかと思ってしまう。ドラマとしては、劇的なのでしょう。東野圭吾さんの「秘密」の映画も、原作と変えてあって、被害者と加害者の立場の者が結ばれるというものだったけどね