吉村昭「羆嵐(くまあらし)」
このGWのニュースで北海道で車を運転中に羆に襲われたことを報道してました。それで前々から気になってたこのドキュメンタリーな本を読みました。
時は大正4年12月、北海道天塩山麓の開拓村を恐怖の渦に巻き込んだ一頭の羆。体長2.7m、体重383kgという巨大な羆が、二日間で6人もの人間を殺害。人の女性の味を覚えたその熊は更に獲物を求めて人里へ下りてこようとしていたのです。
開拓村の村民だけでなく警察も出動するも、その恐怖に人間はなすすべもなかったのです。この羆を仕留めたのが、人間世界では恐れられ孤独に生きていた老いた猟師だったのです。
とにかく吉村昭さんが描くこの羆の恐ろしさは凄まじいものです。