雪の峠越え
天気予報であんまりにも「最強寒波!最大積雪!!」をいうものだから
ビビりなわたしが この峠越えを各所に相談しまくっているのを横目に全然呑気な夫。
「だいじょうぶさ~」と猛吹雪の中を突き進み峠のトンネル抜けたら かけらも雪は無かったのでしたw
そんなわけで、早めに家を出てぴったり1時間で目的地到着。
山岳診療所のドラマのロケにも使われたその病院は思ってたよりも外観、内装その他もろもろ中規模病院というか
私の通院先と同じくらいの古さを感じた。
それにロビーは狭いくらい。
紹介状受付窓口は、たくさんあるのにめちゃ混んでる。
わたしは紹介状その他書類はすでに病院間でやりとりしてもらっていたので、その旨伝えてから病院のWi-Fi繋げて
電子問診票をスマホで書き込んで待ち時間をつぶす。
受付が済んだら「初診者問診ブース」に案内されてそこで紙の書類に書き込んだり体重、血圧測ったり。
ここまでは患者一人一人に案内の係りの方が付いてくれてとてもスムーズ。
その後、診察場所の案内を「この廊下の先になります」といって院内の地図を渡されておしまい。
なんだかヨソのおうちに来たみたいに新鮮というか珍しくてきょろきょろしながら廊下をたどる。
病院てほんとにそれぞれ違うよね。 何もかもすべて初めて。
廊下を奥へ奥へと進んで突き当たった「ガンマセンター入口」の扉。
私の前に待ってる人は一人だけ。 予約時間ぴったりに呼ばれて診察室。
先に病院のHPで担当ドクターのお顔は拝見していて 「自信たっぷりのできるネアカ」というイメージを持っていたけど。
ま・ん・ま だったよ(笑)
というかね。あんまりにも主治医と真逆タイプで最初の挨拶から戸惑ってしまったわw
根暗vs.根明
根暗 主治医が送ったカルテ見ながら
「うん、うん、うん!骨折から見つかったがんだね? それよくあるんだよ~♪ それから4年6か月か~ うんうん」
そしていきなり
「結果から言うね! ガンマナイフは今の状態だと意味ないです 」
うん?
小首かしげた小鹿になるのを想定してるのか
「これから理由を言います~」
話の流れ 心の掴み方、内容のわかりやすさもスピードも いやもうあっけにとられるほどよ。
小鹿も ただのポカーンて口開けたおばさんになるわ。(最初からおばさんや)
まあ、内容は要約すると「分子標的薬倍量してまだ使え!」ってこと。
こちらはもうガンマナイフやる気満々で来たのだし、主治医もそのつもりで紹介状書いてるはずだし
「出来ない」と言われたことにちょいと混乱はしたけど。
そりゃ、飲み薬で効いてくれるならそれが一番いいこともわかってる
でもなあ、ジオトリフの倍量は・・・・とわたしが躊躇してることを察知して
「副作用がね! 副作用がきついんだよな!」とドクターが言うので
「ジオトリフより むしろ、タグリッソのリチャレンジはどうかと・・」といいかけたところで
「リ・チャレンジ!!? おいおいおいおい~ まさかの患者さんからその言葉を聞くとはーー!
え?あれ? この業界の人~~~~???」とテンションアップ
いやいや。私はただの患者会の人!!!と慌てて訂正するも
「いや~~そうか~~~! それじゃあ わかった!話が早い、こっちも専門用語出しちゃおう!」
と、さらにさらに話が流れるように。。
わたしからは新薬のことも持ち出してみたら
「あ、それね!ちょうど僕この前講演頼まれて調べたところで、これがアメリカですでに出ている結果がね・・・云々」
と、PCで論文やらデータやらを見せてくれて。
わたしはあくまでも、
それが患者会の中で話題になったことや3月で承認されるかも?という情報だけど期待はしてるということを伝えたら
「そうなの?僕より詳しいじゃん!! つまり、あなたの場合はね、まだ選択肢がいくつかあって
その優先順でいうとガンマナイフはずっと下のほうにいるってこと!!」
ドクターのどや顔をしばし眺める。
ううう、・・・うん。わかりました。 いやもう「わかった」としか言えないやん。
つまり、この病院へはしばらく来ることはないってことだけど
すでに たっぷり30分は話しているというのに
なんかせっかく来たんだしという気持ちが消えないので
「ついでというか、脳転移のことじゃないけれど ちょっと放射線科の先生にお聞きしたいことがあっていいですか?・・・」と、原発への放射線に関しての質問もしてみたのだけど
「ああ、それはね。」と、これまた聞いたことのある話で確認したってだけに終わったけど
ちょっと間をおいてから
「僕、放射線科じゃなくて 脳外科ね♪」
え???え? え???ガンマって放射線だからてっきり放射線科の先生って思うじゃん??
めっちゃ赤面w ごめーん。
診察室出るときに、何回も「○○先生によろしくいってね~~~♪」と念を押されながら退出。
はいはい、伝えておきますよ
まあ、伝えても あ・・・・・・はい・・・・って無表情の顔が浮かぶ
なんか、その無表情の顔がやたらと恋しくなったのはなぜだろう・・・爆
病院出て、お昼ご飯のお店を探しながらなんだか船酔いしたみたいな気分で、道順を夫に伝えるのに何度も間違える。
(わたくし絶望レベルの左右音痴)
それにも全然イラつきもせず、むしろウキウキしてる感じの夫。
たまに診察室についてきても「何言ってるか全然わからんかった」という人が
今回は「録音しとけばよかったな~」って言うから、何で?と聞いたら
「あんなに話のわかりやすい人はじめてだよ。ものすごく頭の切れる人だよね~」と録音しておきたかったほど感心したんだそう。
たしかに。たしかに。
脳外科だけにキレッキレww