先日、オミクロン株対応の2価ワクチンを打ちました。ちなみにモデルナ社製です。

4回目を打ちそびれていたのでいち早く打ってみました。

 

既感染後の4回目接種は副反応が強くてしんどいという噂を聞いていたのでびびっていましたが、3回目とあまり変わらなかったかなという印象でした。

 

接種部の痛みはわりと早い段階で強くなり、動かすのがつらいくらいでした。

接種後4-5時間くらいで熱っぽくなってきたので、脚にも筋肉痛のような鈍痛が。

熱が上がりきる前に解熱薬を飲みましたが、それでも体温が37度台前半くらいだったから飲まなかったら38度以上は出ていたと思われます。

帰宅後と就寝前に市販薬のNSAIsを、明け方5時くらいにカロナールを内服。

高熱が出たり強い頭痛が生じたりすることはありませんでした。

 

翌日以降も普通に仕事だったので内服しながら働きましたが、欠勤するほどはしんどくないけど無理はできないかなという感じでした。

イブプロフェンやらアセトアミノフェンやら飲んでると、発熱や接種部の痛みがましなだけでなく倦怠感も緩和されてかなり楽でした。5-6時間して薬が切れると一気に怠くなる感じ。

症状は日に日に軽快していきますが、数日間は本調子とはいきませんでした。

症状としては発熱倦怠感筋肉痛くらいでしょうか。頭痛をあまり感じなかったのは薬のおかげかもしれません。

私はそこまで強くありませんでしたが、腰痛や背部痛も出そうな感じはしました。

 

今回は翌日以降の仕事があまり詰まっていないタイミングで接種したので働けたけど、忙しかったら辛かったと思うので仕事内容によるのかも。

寝れない当直や長時間の手術の前はやめておくべきだろうなと思いました。

 

やはり既感染後のワクチン副反応も個人差があるようです。

既感染といっても私は全く症状なかった人なので微妙ですが。。

今後接種者が増えてくるとそれなりにワクチンの副反応やらワクチン接種後の何かしらが発覚してくるのでしょうが、新しいワクチンはそういったものに注目が集まりやすいので本当にそれがワクチンの悪影響なのかは判断しにくいところです。

どう考えどういう選択をするかは個人の自由ですが、国民の半数以上が「打たない」選択をしてしまうとどう頑張っても収束しないのは紛れもない事実。

 

既存のもの含め、COVIDのワクチンは長期的に見るとまだまだわからないことだらけです。

予防法・治療法ともに真の正解はまだ見つかっていません。

何年後かには今ほど得体の知れない恐ろしさはなくなっているはずだと思っていますが。。

 

シェービングのサロンで聞いて気になっていたネトラバスティ

ものは試しということで、受けてみました。

 

「目の温泉」とも言われるこの施術、インドで5000年の歴史のあるアーユルヴェーダの一種だそうです。

温めたギー(油)で眼球を浸す…というなんとも胡散臭い?セラピーで、調べてもあまり情報はありません。Pub medや医中誌で検索してもヒットしませんでした。そりゃそうか。

 

インドのサロンのHpを見ると眼精疲労やドライアイだけでなく、外傷や結膜炎、角膜混濁や三叉神経障害にまで効くと書いてあるので驚きです。

 

さすがにそんなに何にでも効くとは思いませんが、特に副作用もなくリラクゼーションにつながるならやってみようかなと思ってオプション追加。

油が涙小管につまったりしないのかな?とか、いや、そもそも眼に食用油って汗うさぎ とか、つっこみどころは満載で、こんなものを大真面目に受ける医者もあんまりいないよね。。多分。

 

 

施術当日。まずネトラバスティをしてから、目を閉じたままいつもの頭・顔のマッサージとお顔剃りの施術をしますとのこと。

 

眼球の周りに小麦粉を練ったもので土手を作り、温めたギーを注いで目をぱちぱち。目

上見て~下見て~眼球をぐるっと回してオイルをなじませる。

オイルを吸い取ってまた温かいものを注ぐ。…これを3回繰り返します。

 

使用するギーは、普通に食べられる市販のものだそうですが、異物感もなく全くしみません。

オイルが黄色いから視界が黄色くぼや~っとしています。

それほど熱くもないのでこれで血行が良くなるんだろうか?という感じ。

気持ちいいかと言われると、正直そうでもない。

全ての施術が終わって目を開けると、油膜感が強くて少し見えづらかったです。

セラピストさん曰く、油膜感が強いのは疲れ目タイプですねと。

ドライアイの人は吸収が良いので油膜感はあまり出ないのだとか。

 

ネトラバスティ後はしばらく目を閉じている必要があるので、どのサロンでもその間にマッサージを組み合わせるプランが多いようです。トータルで見るとリラックス効果はあるのかな。

 

私の行ってるサロンもセラピストの方のヘッドマッサージが極上キラキラで超絶癒やされるので、正直ネトラバスティそのものの効果はいまいち実感できず。

終了後は頭・首・肩スッキリ!なのはいつも通りなので、敢えて次回も追加するほどでもないかなと思いました。

サロンのお姉さんめちゃくちゃいい人なので、薦められたらやっちゃうかもしれませんが笑

 

 

結論:

・ネトラバスティはそれ単独で目覚ましい効果をもたらすものではなさそう。

・正しい方法ですればそれほど危険なものでもないので受け心地が好きならやればいい。

・ヘッドマッサージは神。

オミクロンの新たな変異株である、「ステルスオミクロン」。

 

東京でも市中感染が見つかりました。

現在のオミクロン株の拡がり方、デルタ株からの置き換わりの速さを考えると、

日本でも急速に拡大する可能性があります。

 

既存のオミクロン株はBA.1、ステルスオミクロンはBA.2と呼ばれています。

オミクロン株の亜種にはBA.3もあるのですがここでは言及しません。

 

BA.2(ステルスオミクロン)とは

2021年11月に南アフリカで発見され、急速に世界中に拡がった既存のオミクロン株 BA.1

 

そして、この数週間で、デンマークやフィリピンなどで瞬く間にBA.2(通称ステルスオミクロン)への入れ替わりが起こりました。

 

このBA.2は、検査方法によってはオミクロン株と判定しにくいためにステルス(隠密)オミクロンと呼ばれており、従来のBA.1よりも伝搬力および免疫機能に打ち勝つ力が強いと考えられています。

つまり、平たく言うと”感染力が強い”ということになります。

 

BA.2はオミクロン波を長引かせはするものの、新たな感染爆発を起こすことはないだろう

というのが2022.2.7当初のボストンの専門家の見解のようです。

 

しかし日本では、感染力が強いだけでなく重症化しやすいのではないか、

第7波となるのではないか、と懸念されています。

 

 

BA.2への再感染

ニューヨークで行われた調査で、ファイザーのワクチンを3回接種した人の抗体を調べると、BA.1感染阻止効果のほうがBA.2に対する効果よりもやや高かったとのことです。

 

また、動物実験ではBA.1に感染して獲得した抗体がBA.2に対しては効果が少なくなっていることが報告されています。

 

しかし、これらの結果がそのまま実情に反映されるものではありません。

専門家たちも、BA.1から回復した人が必ずしもBA.2に再感染しやすいというわけではないと述べています。

 

イスラエルではBA.1感染・回復後にBA.2に感染したという例が多く報告されています。

また、デンマークではこのような再感染の起こる頻度の調査が始まっています。

ワクチン摂取率の高いデンマークではBA.2の増加は今のところそこまで深刻な問題にはなっていませんが、専門家は早急に調査・研究を進めて備える必要があると考えているのです。

 

BA.2によりオミクロン株の感染波が長引くことにより、高齢者や高リスク者への感染が増加して結果的に重傷者や死者が多くなることや、さらなる医療の逼迫が懸念されます。

 

BA.2の治療

BA.2は、BA.1とは違ってモノクローナル抗体療法に抵抗性だという意見もあります。

サンフランシスコの製薬会社はBA.2にもある程度の効果はあると発信していますが、

今後症例が増えればはっきりしてくるでしょうか。

 

今年2/10に特例承認となった「パキロビッドパック」も併用禁忌薬がとても多く、

重症化リスクのある人や高齢者に使用しにくいのが悩みどころです。

 

 

未だ”謎”だらけのBA.2 ステルスオミクロン

今までの変異ウイルスのように、感染の強固さや速さといった点だけでは、

BA.1BA.2の違いは説明できないと考えられています。

 

オミクロン株は、その道の権威の専門家たちにも全貌がわかっていません。

情報はまだ少なく、コンセンサスの得られていない部分も多いです。

 

盲信できるような絶対的な真実というものはないのです。

情報の取捨選択は、自分でするしかありません。

私もいち科学者として、客観的な視点を忘れずに見極めていきたいと思います。

 

※本日もソースはほぼNatureです。

実は先月院内感染でコロナ陽性者になり、しばらく休業していた私。

無症状だったので日数が経過して無事隔離解除となったのですが、引き続きCOVID患者さんや濃厚接触者の診察をすることもあるので、再感染のリスクや時期が気になるところ。

 

そこで、COVID感染後の再感染に関して、Lancet、Nature、CDCのホームページなどをざっと見て調べてみました。

 

 

COVID-19 再感染の疫学

再感染そのものの頻度、再感染した場合の症状や予後はどうなのか。

これは2021.4.24に報告があります。

2019年12月から2020年11月までの約1年間でアメリカの医療施設で感染確認された9119人のうち、陰性確認から90日以上後に再度感染確認された人数やその予後を調べたものです。

 

・再感染は9119人のうち0.2%

・肺炎や心不全、急性腎不全は初感染患者に比べて有意に少なかった

・再感染に起因すると思われる死者は2人であった

 

サンプル数が少ないこと、再感染の時期を限定していること、無症状の再感染者までは追跡しきれていないこと、などのlimitationはありますがひとつの参考にはなりそうです。

 

ただし、症例報告レベルでは初感染よりも明らかに重症となった再感染例も見られます。

(その報告ではウイルスが別株であったことが確認されています。)

 

 

オミクロン株の出現

上記の状況も、オミクロン株の出現でかなり変わってきています。

昨日(2022.2.16)のNatureの記事によると、イングランドで確認された再感染者は65万人を上回るといわれており、グラフを見ると12月から1月にかけて急激に増加しています。

 

日本でもワクチンを3回接種している医療従事者に多数の感染者が出ていることは、ニュースでも話題になっていますね。

 

Natureによると、これは単にウイルスの型の変異により既感染やワクチンによる抗体の効果が少ないということのみでなく、オミクロン株の感染成立の機序によるものということです。

 

デルタ株は以前のものよりもウイルスの複製・増殖が速い変異株です。

ウイルスは情報の伝達能や複製の速さを増すことで体外で蔓延し、侵入して感染させます。

 

これに対してオミクロン株のウイルスは免疫システムを”すり抜ける”ことで宿主を支配するというのです。

オミクロン株の複製スピード(≒増殖能)はデルタ株よりも速いですが、感染時の体内のウイルス量はデルタ株よりも少ないと言われています。

これはオミクロン株の変異によるアドバンテージが、デルタ株のそれとは別の点にあることを意味します。

 

 

今後の課題・疑問点

・再感染の起こりやすさは?

・再感染の危険因子とは?

・最初の感染からどれくらいの期間で再感染は起こるのか?

・初感染と比較した再感染時の症状や予後は?

・再感染後に他人にうつしてしまうリスクは?

 

上記はCDCのホームページにも記載されていましたが、残念ながらこれらへの明確な解答はまだありません。

これに加え、オミクロン株に対応した新しいワクチンは必要なのか?という問題もあります。

 

身をもって体験しましたが、オミクロン株の感染力は驚異的です。

なぜ感染したのかいまだにちょっと不思議です。

感染力が高度で致死率が低いというのは、ウイルスの生き残り戦略としては最高なのですが、今後はどのようになっていくのでしょうか。

我々としては感染しない・させない努力と、感染しても重症化しないように備えることを地道にやっていくしかないですね。

みなし陽性で新型コロナウイルス感染と診断された人が「検査しないと不安だ。」と訴えているのをニュースで見て、理由が全くわからず???となりました。

診察を受けられなくて不安、

検査で確認してないのにコロナ感染ではないと言われたから不安、

とかなら理解できるのですが。

他の病気ではないか不安? ワンチャン陰性かもしれないのに感染者にされたことが不満?

うーん。よくわかりません。

 

今の制度だと同居の濃厚接触者の場合は検査陰性のほうが隔離期間は長くなるし、どのみち発熱などの症状があれば登校や出勤はできません。他の重症疾患を見逃さない限り見なし陽性が偽陽性だった場合のデメリットはあまりなさそうです。

むしろ感染者と診断されれば保健所のフォローや支援が受けられたり入院加療扱いで保険が降りたりといったメリットがあると思います。

 

今までの日本の医療のコンビニさに慣れすぎて、自分の思ったタイミングで思った対処(検査、入院)が受けられないことへの漠然とした不安や不満なのかなという気もします。

また、医療現場の現状や検査や診断の本質というものを知らないことで起こっている誤解が何点かあるように感じます。

 

まず、検査は万能ではありません。COVIDのPCR検査も感度は100%ではありません。

つまり、一定数検査陰性でも実は感染者ということがあるのです。

検査が絶対ではなく、検査前確率というものがあります。

我々医師は問診や身体診察で想定した疾患の”それらしさ”を集めて検査前確率を考えます。その作業なしに検査だけを行っても意味はありません。検査は一つの情報であり、自分の想定を確認するためのものです。

そして検査を行う本来の意味はその結果によって方針(対応や治療)が変わるかどうかです。

新型コロナウイルスに関しては、全例把握感染症であり無症状の感染者も問題になることから、診断をつける意味や検査の位置づけが通常の疾患とはやや異なってきますが。

 

次に、病院の検査キット不足や検査にかかるマンパワーの不足について世間で理解されていなさすぎるのではないでしょうか。

基礎疾患がなく家族が感染者の人の感冒症状や発熱、となれば同じく感染している可能性はかなり高いです。その人に検査キットや人員を割く必要が果たしてあるのでしょうか。

例えば、急に原因不明で命が危なくなった人がいたとします。入院中の患者さんであれ、救急で来た方であれ、病院では原因究明のひとつとしてPCR検査を行います。生命を脅かす原因の一つにCOVIDがあるからです。この時に使用するキットが全くないという事態は絶対に避けなければいけません。

病院を機能させるためには職員用の検査キットも一定数必要です。

加えて、検体の採取には感染リスクが伴い、検査そのものにも人員や時間がかかります。

医療が逼迫していると言われる今は特に、限りある資源を適切に使用する必要があります。

 

 

医師の間でもみなし陽性の認定には賛否両論あります。

インフルエンザや溶連菌感染症とは診断を下す責任の重さが違いますし、世間で否定的な意見が多ければ余計に診断を下すのは億劫だろうなと思います。

 

ただ、取材に応えていたCOVID診療をしている(っぽい)医師が、

「検査なしとなると問診をしっかりしないといけなくて診療に時間がかかって困る」

と言っていたのには呆れました。

完全に個人の意見なので、テレビで言わないでほしいですね…。

発熱外来に来た人にろくに問診せずに検査だけするという診療を続けていると、それこそ他の重病を見逃したり偽陰性のCOVID患者さんを取りこぼしたりすると思います。

 

メディアやSNSで様々な意見を目にするにつけ、医療のあり方について考えさせられます。

医大生の頃も含めると十数年、私にはもう”こっち側”の感覚にどっぷり浸かってしまっていますが、医療現場の現状を理解してほしいと思うなら向こう側の人の感情にも寄り添わなくてはいけないんだろうなと思うのです。